都市ガスの発熱量は、大手都市ガスの場合で、1m3あたり45MJ(10,750Kcal)です。これに対し、LPガス(プロパン)は全国どこでも99MJ(24,000Kcal)です。
つまり、LPガスは都市ガスの2倍以上の発熱量があるので、料金を試算するときは、LPガス料金を半額以下にして比較するようにします。
炎を見ると、都市ガスの方がやや大きいので、火力が強いと勘違いされやすいのですが、これはLPガスと同等にするために、炎が大きくなっているのです。
【LPガス料金について】
ガス料金の仕組みは、次のようになっています。
基本料金
供給設備や保安などに関する費用が含まれ、ガスの使用量の多少にかかわらず請求される料金のことです。
従量料金
ガス原料費や容器配送費などを含んでおり、使用量に応じて支払うものです。
貸付設備利用料金または設備管理料金
ガス販売店がお客様にお貸ししている設備や、ガス販売店が費用負担している設備等がある場合は、「貸付設備利用料金」や「設備管理料金」等が加算されます。
協会内サイト(http://www.kanagawalpg.or.jp/020301.html)
【LPガス料金の計算方法】
LPガスの料金は都市ガス・電気・ガソリン・灯油などと同様に自由料金です。そのため料金制度もLPガス販売事業者が自由に選択でき、また、お客様との契約内容によっても異なる制度を適用できる場合もあります。
主な料金制度としては、二部料金制、三部料金制、最低責任使用料金制などがあります。この中で、最も多いのは基本料金と従量料金を組み合わせた二部料金制です。
従量料金は、使用量帯別の単価が設定されている場合は、それぞれの使用量に応じた従量料金単価を乗じたうえで、それぞれを合算します。
基本料金+〔(○円×5m3/m3)+(□円×5m3/m3)+(△円×2m3/m3)〕
(出典:全国LPガス協会「LPガス消費者相談マニュアル」より)
【都市ガスとの料金比較にあたって】
LPガスと都市ガスの料金を比較した場合、一概にどちらが高い安いとは言い切れません。
同一エリアで複数の事業所が個別配送するLPガスは、地域独占で集中的に導管供給する都市ガスに比べコストが割高になりますが、大型の飲食店などが都市ガスエリア内でもLPガスを使用する例が多いのは、大量消費ではLPガスの方が都市ガスより割安になることがあるからです。
自由料金制であるLPガスの料金はさまざまであり、都市ガスも会社ごと、地域ごと、そして天然ガスや石炭ガス、LPガスなど原料ごとに料金が異なります。大量消費の場合はLPガスが割安になる場合も多くあります。
料金の比較にあたっては、特に次のことを注意してください。
(出典:全国LPガス協会「LPガス消費者相談マニュアル」より)
【料金比較サイト】
資源エネルギー庁「家庭用ガス料金一覧表」
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/gas/gas_rate/#headline5
【LPガスと電気、都市ガスとの比較】
エネルギーとしての「性状・特性」と「供給・利用形態」、「経済性」(こちらで説明します)、そして「環境性」の4面から比較するようにしましょう。
「経済性」、つまり価格を比較するときは、使用するガス機器の価格(イニシャルコスト)、燃費(ランニングコスト)、維持保守費(メンテコスト)の「トータルコスト」で行います。燃費については、それぞれのエネルギーの熱量が異なるので、前述したように単位を揃えて比較(熱量等価)します。
○ エネルギーのコスト比較は、次の3ステップで行います。