公的施設へのGHP・災害バルク・LPG車など推進へ
正副会長を再任、重点事業に119事業・取引適正化も
協会は5月24日(火)午後2時から、横浜市・県民ホール大会議室で「第11回定時総会」を開き、令和3年度事業報告と同収支決算を原案通り可決承認しました。任期満了に伴う役員改選では、髙橋宏昌会長と、宇佐美雅彦氏、関口淳也氏、細谷和久氏、松山利治氏、4名の副会長再任と、早川剛弘氏の専務理事再任を決めました。
髙橋会長、「新しい活力ある業界と協会にしていこう」
髙橋会長 |
髙橋会長は再任あいさつで、「コロナ禍による行動抑制により、協会の事業活動、皆様の日常活動ともに“消化不良”に見舞われています。収束後、元に戻れるか、新しい姿をつくれるか、それが大きな課題です。過剰な投資による攻勢も続いています。それらを会員の一致結束で乗り越え、新しい活力ある業界と協会にしていきましょう」と呼びかけました。
LPガス普及・保安向上・取引適正化の3大重点事業を推進
令和4年度は、①「国の補助金制度を活用したLPガス普及対策等」として、公立小中学校等の体育館へのGHPエアコンの導入、行政機関への災害対応型LPガスバルクなどの補助金制度の活用と公用車へのLPガス自動車導入の提案、②「LPガス119事業を中心とした保安対策の推進」として、LPガス119事業の円滑な運用向上の推進、③「LPガスの取引適正化対策の推進」として、LPガス小売営業取引適正化指針に基づいた取引適正化対策などを重点事業(令和4年度事業計画<抜粋>【PDFファイル】参照)として推進します。
ほか、各委員会での諸事業も積極的に活動・展開していくことにしています。
議長に長尾氏、3議案全て原案通り可決承認
議長に就いた長尾治道氏 |
第11回定時総会は、新型コロナウイルス感染症が収束していないため、出席者総数を60名程度に抑えたうえ、マスクの着用などの感染防止対策を徹底して行われ、定刻の2時、関口副会長が「開会のことば」を述べて開会しました。
議事に先立ち、髙橋会長が定款第21条により議場に議長の選出を諮り、湘南支部の長尾治道氏を推薦。長尾氏は拍手多数による議場の賛同を得て、議長に就きました。
次いで、司会者より総会への出席状況について「総正会員数693名に対し、出席数は57名、委任状提出数は318名、議決権行使書面提出数122名、合計497名である」との報告があり、議長はこれを受けて「会員数の過半数の出席があるので、定款第22条により本総会は成立している」と報告しました。
続いて、議長が定款第25条第2項により2名の議事録署名人の選任を諮ったところ、「議長一任」の拍手が多数あり、議長はこれを受けて、議事録署名人に横浜旭保土ヶ谷支部の川島辰雄氏と津久井支部の苅邊俊秀氏を指名し、議事に入りました。
◆ 第2号議案「令和3年度収支決算の承認を求める件」
議長は議場の承認を得て両議案を一括上程し、事務局に説明を求めました。続いて、議長は監事3名を代表して吉原繁氏に監査報告を求めました。
議長が両議案を議場に諮ったところ、「新型コロナウイルス感染症対策で行動が制約され、防災訓練なども影響を受けているが、災害発生時にきちんと対応できるよう、訓練のあり方を見直して実施することも必要ではないか」との提案がありました。ほかは特に意見・質問はなく、議長は賛成挙手多数と認め、両議案は原案通り可決承認されました。
議長は事務局に説明を求め、事務局が朗読した推薦理事候補者名簿(役員、理事、計50名)について採決を求めたところ、特に意見・質問はなく、賛成挙手多数で原案(通り可決承認されました。
これにより、全3議案の審議を終え、議長は降壇しました。
このあと、本総会で選任された新理事による臨時理事会を開催するために、総会は午後2時45分にいったん休会。同3時15分に再開し、事務局より会長、副会長、専務理事、相談役について別掲表(公益社団法人神奈川県LPガス協会 理事監事及び相談役名簿【PDFファイル】参照)の通り報告がありました。
髙橋会長、「コロナ禍収束後、新しい姿つくろう」
髙橋会長は再任にあたり、「4年前に古川武法 前会長からバトンを受けたとき、“確固たる継承と緩やかな改革”を掲げ、再任された2年前には、私たちが地域に根差した商売をしていることを踏まえて“街々の行灯となれや小商人”と呼びかけました。ただ、この2年間はコロナ禍による行動抑制で十分な活動ができなかったばかりでなく、コロナ禍を理由になおざりにした面はないかとも反省しています。Web利用、リモート活用は便利ですが、一方で私たちLPガス事業者には日々きちんとやらなければならないことがあります」とあいさつ。
そのうえで、「コロナ禍の収束後に元の姿に戻れるか、あるいは新しい姿をつくれるか、それが大きな課題です。過剰な投資による攻勢も続いています。新役員を中心に会員が一致結束して消化不良を乗り越え、新しい活力のある業界、協会にしていけるよう、ぜひご尽力をお願いします。」と呼びかけました。
佐川局長、「LPガスは最後の砦、防災体制充実を」
来賓祝辞を述べる佐川局長 |
来賓としては、神奈川県くらし安全防災局の佐川範久局長と内山和子工業保安担当課長が出席。佐川局長は「長年にわたり防災行政の推進にご支援ご協力をいただいており、厚くお礼を申し上げます。万が一のとき、ライフラインを確保することは大変大事であり、電気、ガス、水道はとりわけ重要です。LPガスは特に“エネルギー供給の最後の砦”とされており、協会には災害時にもお客様が安心してLPガスを活用できるよう、日頃から災害時のLPガスの供給、保安体制の整備と取り組んでいただいています。本県では防災体制をさらに充実させたいと考えていますので、いっそうのご理解とご協力をお願い申し上げます」と述べました。
総会ではほか、感謝状の贈呈、祝電の披露などがあり、同3時40分、関口淳也副会長の「閉会のことば」で終了しました。
会場ではこのあと、「独占禁止法講演会」が行われ、協会の顧問弁護士でもあるM&Fパートナース法律事務所の代表弁護士、二川裕之氏が「不当な取引制限」について講演するとともに、「確約手続」を紹介しました。
あいさつする髙橋会長
髙橋宏昌会長 総会あいさつ
LPガスをお客様に選んでもらえるエネルギーに
本日はご多忙の中、第11回定期総会にお集まりいただき誠にありがとうございます。新型コロナウイルス感染防止のため、参加人数を絞って開催させていただきます。
この1年間を振り返ると、新型コロナウイルス禍で防災イベントやキャンペーン活動などが中止を余儀なくされ、思うように進めることができませんでした。皆様の営業活動にも大きな“消化不良”が生じたかと思われます。また、業務用需要の激減、仕入れ価格の高騰なども経営に大きな打撃を与えています。
こうした中での令和3年度の活動ポイントを紹介すると、まず、将来の協会の組織強化を目指し17支部の統合問題に取り組みました。1年間をかけて議論を重ねましたが、支部内で十分討論し、それぞれの支部が同じ気持ちで方向づけることが重要だと思っております。
2点目は、公正取引委員会の立入調査から足かけ5年にわたる排除措置命令取消訴訟が決着しました。残念ながら結果は最高裁で棄却されましたが、協会が何よりもお客様の利益を優先する団体であることを強く主張してまいりました。
3点目は取引の適正化です。昨年末、そして今年2月に一般紙が設備の無償貸与をLPガス業界の悪しき慣習として取り上げました。私たち中小事業者には到底できることではありません。料金透明化の観点から改めて改善すべきと思います。これらの根本には、大手が資本力をバックに顧客獲得を行っていることがあります。
料金透明化では、料金の公表状況を消費者団体が調査したところ、公表率は前回の48.2%から65.1%に向上しました。改善は進んでいますが、もっと高率であるべきです。
協会は公益法人化して10年目の節目を迎えました。私たちの事業環境は、神奈川県もいよいよ人口減少に転じ、今後は消費者数の減少、それに仕入れ価格の高止まりなどで厳しさを増します。その中で、お客様への安定供給、保安の確保、合わせて低炭素・脱炭素に向けた環境重視にも取り組みつつ、収益性の高い事業へと高めていかないといけません。
今回は役員改選があります。退任される方々は大変ご苦労さまでした。新役員の方々にはLPガスがお客様に選んでもらえるエネルギーとなるよう今後の協会運営をよろしくお願いいたします。また、皆様のご商売のいっそうの繁盛を祈念しております。