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業界最新情報

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容器の再検査期限表示、5月から「西暦4桁」に移行

2019年3月

 今年5月の新元号を受け、和暦で表示していたLPガス容器の再検査期限が「西暦」へと改正されます。高圧ガス保安法・関係政省令の運用・解釈基準(基本通達)を見直して、3月中旬に公布、5月1日から施行される予定。

改正内容

●具体的な規定内容:再検査期限を「西暦年4桁」で表示する。
●経過措置:下記①、②は従前の例によることができる。ただし、同規程の施行後、2019年10月31日までに行う容器再検査(または容器検査)、または同年11月1日以降最初に行う容器再検査で、改正後の基本通達の規定により表示を行うこと。
①改正規程の施行の際、現に表示をしている容器
②同規程の施行後、2019年10月31日までの間に表示をする容器

消費税引き上げ需要平準化に向け「次世代住宅ポイント制度」

2019年3月

 今年10月の消費税率引き上げに備え、引き上げ前・後の需要変動を平準化する狙いから、税率10%で一定の性能を有する住宅を新築したりリフォームすると、さまざまな商品などと交換できるポイントを提供する「次世代住宅ポイント制度」が設けられます。2019年度当初予算の成立を受けてスタートし、ポイントの発行申請は6月以降から始まる予定。ただし、新築、リフォームとも、貸家は対象外となります。

対象は一定の性能を有する住宅の新築・リフォーム(貸家除く)

 対象となる注文住宅(持家)・リフォームは、契約が「2019年4月~2020年3月請負契約・着工をしたもの」、分譲住宅は「閣議決定日~2020年3月に請負契約・着工し、かつ売買契約を締結したもの」「閣議決定日までに完成済みの新築住宅で、閣議決定日~2020年3月に売買契約を締結したもの」。また、いずれの住宅でも「2019年10月以降に引渡しをしたもの」 新築住宅の発行ポイント数は1戸あたりの上限が35万ポイントで、次のいずれかに適合するときは30万ポイントが付与されます。
①エコ住宅(断熱等級4または一次エネ等級4を満たす住宅)
②長持ち住宅(劣化対策等級3、かつ維持管理対策等級2等を満たす住宅)
③耐震住宅(耐震等級2を満たす住宅または免震建築物)
④バリアフリー住宅(高齢者等配慮対策等級3を満たす住宅)

 一方、リフォームのポイント数は、上限が30万ポイント。若者・子育て世帯によるリフォームや一定の既存住宅の購入に伴うリフォームの場合は上限が引き上げられます。 対象となるリフォームは、次の通り。
①窓・ドアの断熱改修
②外壁、屋根・天井または床の断熱改修
③エコ住宅設備の設置
④耐震改修
⑤バリアフリー改修
⑥家事負担軽減に資する設備の設置
⑦若者・子育て世帯による既存住宅の購入に伴う一定規模以上のリフォーム工事等

 ほか、オプションポイントとして、「新築」では家事負担軽減設備としてビルトイン食器洗機(1.8万ポイント<以下「P」と表記)、掃除しやすいレンジフード(0.9万P)、ビルトイン自動調理対応コンロ(1.2万P)、掃除しやすいトイレ(1.8万P)、浴室乾燥機(1.8万P)、宅配ボックス(1万P)など、「リフォーム」で断熱改修(内外窓、ガラス、ドア、外壁、屋根・天井、床)やエコ住宅設備(太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯器、節水型トイレ、節湯水栓)、家事負担軽減設備なども対象になります。


詳しくはこちら→PDF「次世代住宅ポイントの概要」

ガス機器事故の減少続く、5年間で半減

2019年3月

 (一社)日本ガス石油機器工業会(安全対策委員会)はこのほど、2017年に発生したガス・石油機器製品事故に関する分析と対応をまとめました。それによれば、会員企業から報告があったガス関係の「重大製品事故」と「重大製品事故以外の事故」の合計数は167件となり、前年より7件減りました。

石油機器も4割減、うち温水機器は1/3に

 これらのうち、調理機器の事故は煮こぼれによる異常燃焼、グリルのお手入れ不足による発火、ガス用ゴム管引き回しなどの設置不良、ペットの挙動でこんろが点火し周囲の可燃物に着火…などが発生要因となっていました。
 全体として減少傾向が続いており、5年前(2012年)に比べ半減しました。ほか、ガス栓・接続具は20件(前年と同数)、カートリッジ・燃料機器は15件(1件減少)でした。
 一方、石油機器の製品事故数も減少傾向にあり、2017年は83件となり、5年前に比べ約4割減少。特に温水機器は約1/3に減りました。


2018年CIF(入着価格)は平均64,617円、前年比15.4%、8,629円上昇

2019年3月

 2018年(1~12月)のCIF価格(入着価格、日本LPガス協会)は、総平均でトンあたり64,617円となり、前年総平均より15.4%、8,629円上昇しました。うち、プロパンは64,351円となり、8,712円上昇し、15.7%の上昇。円/ドルレートは110.48円で、2.00円の円高ドル安でした。


豪州イクシスLNGプロジェクトからのLPガスを初受け入れ

2019年2月

 アストモスエネルギーは1月23日、国際石油開発帝石(INPEX)がオーストラリアで主導するイクシスLNGプロジェクト(イクシス)で生産されたLPガスを、九州液化瓦斯福島基地(長崎県松浦市福島町、アストモスエネルギー・ENEOSグローブ各50%出資)に日本で初めて受け入れました。同社が同日、発表しました。

我が国のLPガス安定供給体制、一段と進展

 我が国のLPガスは、政情が不安定な中近東からの輸入が大部分を占めていましたが、近年はアメリカからの輸入が7割近く(2018年度上期)を占めるなど分散化が進展。今回オーストラリアからの輸入がはじまったことで、我が国におけるLPガス安定供給体制は一段と進むことになります。
 アストモスエネルギーの今回の輸入は、イクシスから生産されるLPガスのうち、インペックストレーディングの引き取り分(プロパン、ブタン)で、購入形態は本船積込み渡し。

イクシスLNGプロジェクトの概要

●出資者:INPEX、TOTALを中心に、台湾中油、東京ガス、大阪ガス、関西電力、JERA、東邦ガス

●オーストラリア連邦西豪州沖合に位置するイクシスガス・コンデンセート田から産出される天然ガスを、北部準州のダーウィンに位置する陸上ガス液化プラントで液化。年間約890万トンのLNGと約165万トンのLPガスを生産・出荷するとともに、日量約10万バレル(ピーク時)のコンデンセートを生産・出荷する。


災害対応バルクなどに前年度比5倍超の31.5億円

2019年2月

 経済産業省の発表によれば、2018年12月21日に閣議決定された2018年度第2次補正予算案と2019年度予算で、LPガス関係予算の総額は395.4億円(前年度409.7億円)となりました。注目されるのは、「災害等緊急時におけるLPガスの供給拠点等の維持強化」で31.5億円と、前年度(6億円)の5倍超も計上されたこと。

LPガス関係予算総額は395.4億円(前年度409.7億円)

  災害時のLPガスの供給拠点等維持強化の予算内訳は、2018年度2次補正で8.3億円、2019年度予算で自衛的燃料備蓄(災害対応バルク等への補助金)として4億円、国土強靭化緊急対策として19.2億円。

  一方で、体制整備を終えた備蓄関係は356.4億円(395.7億円)へと減額。取引適正化・流通合理化関係も7.5億円(8.0億円)、産業保安グループ関係も8.6億円(10.0億円)へと減額となっています。


全L協、「販売業界ビジョン」「アクションプラン」作成を了承

2019年1月

 (一社)全国LPガス協会は2018年12月3日に開いた執行役員会で、LPガス販売業界ビジョン「もっと広がるLPガス」と、ビジョンの実現に向けた「アクションプラン」の作成を了承しました。

「いつも、どこでも、もっと広がるLPガス」目指す

 ビジョンは、2019年がLPガス小売、卸売、オートガススタンドの3団体を統合して10年の節目になることと、電力・都市ガス小売自由化でエネルギー全面競争時代に突入したことから、LPガス業界が目指すべき針路と、そのための取り組みを明確にするのが狙い。5~10年後を見据えて、“信頼・競争力・連携・ブランド・環境”をキーワードに、「いつも、どこでも、もっと広がるLPガス」を目指していく構想で、すでにブロック会議などで意見交換を重ねてきています。

 今後作成するアクションプランもブロック会議などで意見交換のうえ、理事会の了承を得て、2019年度からスタートする考えです。

日協、「2025年ビジョン」打ち出す

2019年1月

 日本LPガス協会は2018年12月5日、「LPガス産業の2025年ビジョン」を打ち出しました。LPガス産業を取り巻く情勢変化とビジョンの改定経緯に触れたうえで、5つの取り組み方針を掲げ、2025年のLPガス総需要として「1,500万~1,600万トン」を目指す内容となっています。

2025年の総需要、1,500万~1,600万トンを想定

 総需要は現状の1,443万トン(2017年度)に対し、①現需要想定ベースで進捗したとき:1,400万トン、②需要拡大への取り組みが十分機能したとき:1,500万トン、それに加えて③LPG燃料船などの新規需要が実現したとき:1,600万トン、になると見込んでいます。

5つの取り組み方針

①需要拡大に向け克服すべき課題と取り組み(税制見直し・産業育成・LPガス高度化など)
②LPガスの安定供給(安定供給・備蓄・国内物流<輸入基地・二次基地>効率化)
③効率的かつ強靭な物流体制の構築(災害対応力・物流進化・次世代インフラ構築)
④環境への取り組み(低炭素社会実行計画・再生エネ利用推進と共生)
⑤品質と安全確保のための取り組み

 

2017年度の最終エネ消費、大震災以降初めて増加

2019年1月

 資源エネルギー庁は2018年11月15日、2017年度の「エネルギー需給実績」(速報)を公表しました。最終エネルギー消費は前年度比0.4%増えて13,382PJ(ペタジュール)となり、東日本大震災(2011年)以降初めて増加しました。電力は、2年連続の横ばい。

需要動向

●家庭部門は厳冬が影響して大幅に増え、企業・事業所他部門は経済活動は活発だったものの省エネが進展して横ばいとなった。
●最終消費のうち家庭部門は同4.1%増で、家庭部門のみが増加した。
●電力消費は、家庭部門は5ぶりとなる同2.1%増。

供給動向

●一次エネルギー国内供給は、同1.0%増えた。化石燃料は4年連続で減少する一方、再エネ、原子力などの非化石燃料は5年連続で増加した。

CO2排出動向

●エネルギー起源CO2排出量は、同1.4%減と4年連続減少し、2013年度比10.0%減。
●電力のCO2原単位は2.7%改善し、0.52kg-CO2/kWh。
●CO2は東日本大震災後の原発稼働停止等の影響で2013年度まで4年連続で増加したが、その後の需要減、再エネ普及や原発再稼働による電力低炭素化により減少傾向。

 

「火気取扱設備と特定ガス工作物」との距離規制を整合化へ

2018年12月

 経済産業省・産業構造審議会のガス安全小委員会が11月6日に開催され、規制改革実施計画(2018年6月閣議決定)を受けて、ガス保安規制におけるガス事業法と液石法との整合化を進める方針が経産省・ガス安全室から提示されました。

2019年度中に措置される見通し

 今回対象となるのは、「火気取扱設備」と「特定ガス工作物(容器・貯槽)」との距離。貯蔵能力が「1,000kg未満」と「1,000kg以上3,000kg未満」で不整合が生じています。今後、2018年度末までに技術の進歩や運用の実態、事業者のニーズなどを把握。審議会の了承を得たうえで、2019年度中に措置することになる見通しです。
 両法における保安規制は、2017年4月に「保安物件とガス工作物の離隔距離」の整合化が行われています。

「火気取扱設備」と「特定ガス工作物(容器・貯槽)」との距離

(ガス=ガス事業法、液石=液石法、*火気との距離)


学校空調に817億円、ガス空調拡大に期待

2018年12月

 全国の公立小中学などに対する817億円の「熱中症対策としての空調設置予算」(文部科学省)を計上した2018年度補正予算案が11月7日に可決・成立し、GHPなどによるガス空調の拡大が大きく期待されています。未設置の小中学校等教室は全38万教室うち、半数ほどの17万教室。文科省は来夏までには設置を終えたい考えです。

並行して指定避難所対策として体育館にGHP・発電機も

 今回の空調設置では、これまでの支援措置(補助金給付)に加えて、地方自治体が負担する元利償還金における地方交付税参入率を引き上げる特例的な措置を講じること。これにより、地方自治体の初期費用(イニシャルコスト)の負担分をなくすうえ、実質負担分も4分の1程度に抑えるとのことです。
 ガス空調の拡大に向けては、団体(協会)が主導して市長・市議、教育委員会・小中学校、PTAなどにアプローチ。EHP(電気パッケージエアコン)と競合しつつ、熱中症対策として一般教室にGHP、並行して指定避難所対策として体育館にGHP・発電機を設置するよう提案していく動きが本格化すると見られます。

設置促進支援の仕組み

●設置費総額の1/3(国庫負担)…補助金を給付
●設置費総額の残り2/3(地方負担)…①地方負担額全額について地方債(地方自治体の借金)の起債措置を認める、②地方債の元利償還金(返済金)の60%を国が交付する地方交付税制度に算入できる。
●これらにより、設置費全体に対する自治体の負担分は26.7%に軽減。


災害時の燃料供給強靭化に向けた有識者会議がスタート

2018年12月

 「災害時の燃料供給の強靭化に向けた有識者会議」(経済産業省)が10月19日にスタートし、11月15日には第2会合が開かれました。

全L協、災害への強さ踏まえ、普及啓発・避難所等への導入・中核充填所の拡充を表明

 第1回会合で、LPガスについては(一社)全国LPガス協会が、2016年の熊本地震・台風10号、2017年の九州北部豪雨、2018年の北陸豪雪・大阪北部地震・西日本豪雨・台風21号・北海道胆振東部地震といった大きな自然災害で「LPガスの供給途絶や二次災害は発生しなかった」と紹介。そのうえで、この特性を生かした減災・復旧支援に向け、①LPガスの強みをよく知ってもらうため、これまで以上に普及啓発に注力する、②避難所、自治体での燃料多様化における選択肢の一つとしてLPガス・設備の導入を推進する、③災害時に地域の燃料供給拠点となる中核充填所の拡充を検討する、と表明しました。

今後の災害対応能力の強化に向けた論点(対応の方向性、資源エネルギー庁案)

●燃料供給インフラ(製油所・油槽所、SSなど)の停電時の供給能力や強靭化対策の状況を点検し、必要な整備を加速。また、より機動的な燃料供給が行える体制を検討する。
●病院などの重要施設における燃料備蓄状況を把握するとともに、自家用車も含め平時からのさらなる燃料備蓄を推進する。
●SSの営業状況の正確かつ迅速な情報収集のあり方や燃料供給に係る積極的な情報発信など、被災地域・被災者とのコミュニケーションを強化する。
●(天然ガス)事業者による対策、地域の安定供給に与える影響を確認し、必要な体制を構築する。

●(石炭)事業者の実態、地域の安定供給に与える


全L協ビジョン

2018年11月

全L協、販売業界ビジョン「もっと広がるLPガス」原案を策定

 (一社)全国LPガス協会は、LPガスの販売(日本エルピーガス連合会)、卸売(全国エルピーガス卸売協会)、スタンド(全国エルピーガススタンド協会)の全国3団体統合による発足から来年で10年を迎えることを踏まえ、10月3日開催の正副会長会議で5~10年後を見据えたLPガス販売業界ビジョン「もっと広がるLPガス」原案を了承しました。11~12月に開催する各ブロック会議で意見交換を行い、新年度から実行したい考えです。

ワンボイスを発信し、LPガスの未来を広げていこう

 秋元耕一郎新会長は6月開催の通常総会で、全家庭用エネルギーが自由競争に突入するとともに、オートガスもEV(電気自動車)、FCV(水素自動車)が本格化しつつある中、「3団体統合の理念を深化させ、業界内外に広くワンボイスを発信し、LPガスの未来を広げていきたい」と発言。7月開催の執行委員会では正副会長会議を基本方針を決める「経営会議」と位置づけ、協会活動・運営の刷新、拡充強化を目指しています。

LPガス販売業界ビジョン(原案)

●名称:もっと広がるLPガス
●理念:LPガス販売業の原点に回帰し、LPガスが支える快適な暮らし、LPガスが取り組む安全・安心な社会を実現し、もっと広がるLPガスの未来に繋げていく。
●メイン5テーマ:「信頼」「競争力」「環境」「ブランド」「連携」
●各テーマのポイント

・信頼:保安意識の向上/ 安定供給/取引適正化・料金透明化
・競争力:地域密着/需要開発/LPガス自動車の普及
・環境:低炭素社会への貢献/少子高齢化社会への対応/新技術の導入
・ブランド:イメージアップに向けた広報/お客様目線での情報発信/LPガス従事者(社員)の満足の向上
・連携:地域住民との連携/オールガスによるコラボ/機器・車メーカーとの連携/地方自治体との災害協定/事業者間の災害協力体制

災害対応マニュアル

2018年11月

災害対応の全ての第一歩は、事業者・お客様被災情報

 熊本地震(2016年4月)、西日本豪雨(2018年6~7月)を反映した「LPガス災害対応マニュアル」(第2次改訂版<改>、経済産業省・高圧ガス保安協会)が9月に公表されました。

新たに「第一報のあり方」設ける

 総数3,000本に及ぶ容器流出を踏まえた「流出容器の回収体制の確立」が追記されたほか、「情報収集・発信体制の一元化と複層化」を記載し、災害対策本部と地方協会の役割を重視。さらに、被災時に把握すべき情報に「市町村別消費世帯数」を明記するとともに、「災害が発生した場合の全ての第一歩は、LPガス販売事業者及び一般消費者等の被災状況に関する情報の迅速なる把握である」として、新たに「第一報のあり方」が設けられました。

LPガス災害対応マニュアル

 2012年度に作成され、2013年度以降は毎年度、参考資料の更新と本文の一部改訂を実施。2014年度には「中核充填所一覧」を掲載した改訂版を、2017年度には熊本地震を踏まえた一部見直し(第2次改訂版)を、同年度3月には全体に反映させた第2次改訂版(改)が作成されている。

第一報のあり方

 第一報は、情報伝達に方法、タイミング、内容等に限界があることを踏まえ、次のイからハを基本とする。
イ:LPガス販売事業者の従業員の安否
ロ:LPガス販売事業所の被害の有無
ハ:LPガス消費者等への安全点検ができるか否か

地方自治体との91%と防災協定締結、100%は34道府県に

2018年10月

 (一社)全国LPガス協会によれば、地方LPガス協会が地方自治体と締結を進めている防災協定は、2018年3月末時点で、全国1,787自治体のうち1,632自治体が締結済みとなりました。締結率は91%。前年3月末より4ポイント上昇し、締結率100%は前年より5県増えて34道府県になりました。一方で、東京都(締結率41%)、奈良(48%)、福島(50%)は遅れています。


火災警報器、設置10年超で本体交換期が到来

2018年10月

 住宅用火災警報器が設置後10年前後となり、電池切れ、それにともなう本体交換期を迎えています。

 消防庁が9月4日に公表した今年6月1日現在の設置状況は、設置率が全国平均で81.6%、条例への適合率が66.5%。前年結果とほぼ同じですが、まだ1カ所も設置されていない住宅が18.4%、市町村条例に適合した設置になっていない住宅が33.5%も残っているうえ、設置済みの住宅では電池が寿命(目安:10年)を迎え、本体が交換期に入っているケースが増えています。

住宅用火災警報器の設置と消防庁の対応

 火災警報器は2006年6月1日の消防法改正で、まず新築住宅の居室や階段上などへの設置が義務付けられました。既存住宅も、戸建住宅や自動火災報知設備が付いていない共同住宅は、最短で2008年5月中まで、遅くとも2011年5月中までに設置することが義務付けられました。消防庁では「設置から10年以上経過している場合は、電池切れや本体内部の電子部品の劣化により火災を感知しなくなることが考えられる」として、警報器本体の交換を推奨しています。


LPガス関係概算要求、自衛的燃料備蓄8.5億円に増額
バルク告示検査の頻度・検査法見直し調査に6.6億円

2018年10月

 経済産業省におけるLPガス関係の2019年度概算要求が8月31日に明らかになりました。2017年度にLPガス国家備蓄体制が確立したことから、総額は前年度より▲33.6億円少ない384.7億円への減少。ただ、災害時に備えた社会的重要インフラへの自衛的な燃料備蓄に向けては、+2.5億円増の8.5億円を計上し、特に商業施設や病院などの民間施設におけるLPガス備蓄を支援します。

2017年度の国備確立で、総額は384.7億円に減少

 流通面では、この自衛的な燃料備蓄が大きなポイント。自然災害の多発や酷暑傾向などを背景に、災害対応バルクの導入拡大のほか、自家発電設備やコージェネ、GHPの設置を促進し、民間施設の事業継続や災害対応力の強化を支援します。

 保安面では、バルク貯槽告示検査の頻度や検査方法の合理化について調査する石油・ガス供給等に係る保安対策調査等委託費を6.6億円(+0.1億円増)へと増やす一方、高圧ガス設備に対する耐震補強支援事業は交付対象の減少にともない1.6億円(▲0.5億円減)に減額します。


経済産業省・ガス安全室、食品工場・業務用厨房のCO中毒事故を要請

2018年9月

 経済産業省(ガス安全室)は8月1日、LPガス・都市ガス消費先に向けて、「食品工場及び業務用厨房施設等におけるCO中毒事故の防止」について注意喚起を行いました。事故を未然防止するため、特に①使用中の換気(吸気・排気)、②設備機器の点検(使用前・使用後)、③日常管理の徹底、④フィルターの定期清掃・交換、⑤業務用換気警報器の設置を要請しています。

事故原因の多くは機器の経年劣化や換気不十分

 食品工場や業務用厨房施設などでのCO中毒事故は、平成30年は6月末時点ですでに5件(死者0名、症者19名)発生しています。平成29年は3件(死者0名、症者7名)発生。また、平成28年8月には、宮崎県内の高校で、業務用ガスオーブンを使った食品製造実習中に、生徒13名と教諭2名がCO中毒になる事故が発生しています。
 経済産業省によれば、これらの事故原因の多くは、機器の経年劣化や換気が不十分なため、消費設備が不完全燃焼を起こし、COが発生しました。

換気・点検・手入れ・業務用換気警報器の設置がポイント

 食品工場や業務用厨房施設等でCO中毒事故が免生した場合、多くの人を巻き込み、甚大な被害を及ぼす可能性があることから、「換気、点検、手入れ、業務用換気警報器の設置などが重要であることを、業務用厨房等の所有者や使用者等に理解してもらうことが重要である」としています。

詳しくはこちら→PDF「食品工場・業務用厨房施設等CO中毒事故防止(要請)」


安全装置未装着器具、1.1万台交換し残り7.5万台

2018年9月

 (一社)全国LPガス協会の集計によれば、不完全燃焼防止装置などの安全装置が付いていない燃焼器具の交換は、2017年度中に全国で1.1万台ほど進んだものの、年度末(2018年3月末)時点では7.5万台残っています。報告書回収率は91.6%。

業務用厨房(41.1万施設)、換気警報器設置18.9万施設、設置不要3.5万施設

 安全装置が付いていない燃焼器具の残数の内訳は、湯沸器4.4万台、風呂釜2.6万台、排気筒0.5万台。
 一方、業務用厨房施設は総数41.1万施設に対し、①法定以外の周知の実施:30.7万施設、②業務用換気警報器(CO警報器含む):設置済み18.9万施設、設置不要(屋外)3.5万施設となりました。

安全機器の設置率(年度末)

●マイコンメーター等:設置数1,990.0万戸、設置率99.7%(うち期限切れ0.1%)
●ヒューズガス栓等:設置数1,727.9万戸、設置率97.0%
●ガス漏れ警報器:1,284.6万戸、設置率78.8%(うち製造から5年経過10.0%)
●調整器:1,350.4万戸(うち7年または10年経過施設2.7%)


エネ庁、今夏終盤にも、賃貸入居者6,000人にLPガス料金調査

2018年9月

 資源エネルギー庁は、今夏終盤からにも、LPガス消費者を対象としたアンケート調査を実施する予定です。7月27日開催の「北関東地方LPガス懇談会」で明らかにしたもので、2017年6月1日の液石法施行規則等の改正以降に賃貸住宅に入居したLPガス消費者(6,000人)を対象とし、毎月のガス代の中に、販売事業者が費用を負担したエアコン、ドアホンなどの設備代金が含まれていないかをチェックしたい考えです。


2017年度需要開発推進運動、エコジョーズが前年度を上回る

2018年9月

 (一社)全国LPガス協会は、快適生活の提案とそれによるガス増販に向けた全国運動、「需要開発推進運動」における2017年度の機器販売実績をまとめました。

今年度も継続して実施中!

 それによれば、エネファーム、GHPなど全体としては7品目中6品目が前年度実績を下回りましたが、エコジョーズは19.4万台となり、前年実績を4.1%上回りました。

 運動は、成功事例セミナーやリース活用の研修会、また地方LPガス協会が推進する運動を支援するなどして、2018年度も引き続き行われています。

9月から「LPガスワンランクアップキャンペーン」

 特に9月から11月までの3カ月間は、対象品目を大幅に拡大した「LPガスワンランクアップキャンペーン」が全国展開されますので、積極的な取り組みが期待されています。


備蓄目標、民備40日分・国備50日分告示

2018年8月

 石油備蓄法に基づくLPガス備蓄目標を、2018年以降の5年間については、民間備蓄を輸入量の40日分に軽減する一方、国家備蓄は50日分とする経済産業省告示が7月3日に行われました。合計の備蓄量は90日分。4月現在の保有量は、民備が基準備蓄量1115千トンに対し1,678千トン(60.1日分)、国備が1,396千トン(50.1日分)、計110日分強となっています。

LPガス備蓄の推移


第5次「エネルギー基本計画」、7月3日に閣議決定

2018年8月

 「再生エネの主力電源化」「原子力の依存低減・再稼働」掲げる
 2030年、2050年を見据えたエネルギー政策の方向性を示す「第5次エネルギー基本計画」が7月3日に閣議されました。2030年に向けた方針では、エネルギーミックスの進捗は道半ばであり、さらなる強化が必要であると指摘。2050年に向けては、パリ協定発効に見られる脱炭素化への世界的な動きを踏まえ、エネルギー転換・脱炭素化を追求していくとしています。

LPガス…「アジアへの技術貢献」「エネファームでの低炭素化」盛り込む

 具体的には、再生可能エネルギーの「主力電源化」と、原子力の「可能な限りの依存度低減と安全性向上・再稼働」を掲げつつも、新たな数値目標は設けていません。
 LPガスについては最終段階で、次の2点が盛り込まれました。
①LPガスの需要拡大が続くアジア地域への技術協力や、現地販売企業とのJV式進出による安全性向上・利便性拡大への寄与。
②低炭素化の観点からもエネファームなどのLPガスコージェネ、GHPなどを利用拡大。

【第5次「エネルギー基本計画」のポイント】


西日本豪雨で平成最大の被害、LPガス二次被害なし

2018年8月

 6月下旬から7月8日にかけ、西日本全域と中部地区などが襲われた西日本豪雨「平成30年7月豪雨」で、平成史上最大の死者・行方不明者225名(1府12県)が発生しました(政府・非常災害対策本部、16日午後1時)。また、住宅被害は西日本・中部地区を中心に全半壊748件、床上・床下浸水2万6,923件に及びました(同)。

 経産省によれば、LPガスについては、道路の土砂崩れによる出荷見合わせ(今治市・輸入基地、振替要請済み)や容器の流出・埋没(岡山県、愛媛県、京都府などで約2,400本)があったものの、二次災害はなく、順次回収作業が進められました。

LPガスへの影響

●国内のLPガス関連施設は異常なし。
●愛媛県今治市の輸入基地で、道路が土砂崩れで陥没したため、ローリーによる陸上供給を見合わせ(他社に振替を要請済み、燃料供給に直ちに支障はなし)。

●岡山県、愛媛県内の充填所から容器2,400本流出(うち2,250本回収<12日12時現在>)。ほか、愛媛、高知、島根県で容器44本流出(同7本回収)、京都府などの15戸で容器埋没。

協会、公取排除措置命令の取り消し求め行政訴訟

2018年8月

 協会は6月25日、東京地裁(商事部)に「公正取引委員会による排除措置命令の取り消し」を求める請求を行いました。
 協会は3月9日、独占禁止法第8条(現在または未来の事業者の数の制限)に違反する行為を行っていたとして、公取から排除措置命令を受けました。協会の主張は今後の弁論で明らかにしていく考えです。


2017年度輸入実績、米国55.7%、中東39.3%に逆転

2018年8月

 わが国の最大のLPガス輸入先が、長年にわたり過半を占めてきた中東エリアから、シェール由来LPガスの輸出が本格化している米国へと逆転しました。

シェール由来LPガスの輸入が本格化

 2016年度の輸入実績(10,497千トン)は、中東53.9%に対し北米37.9%(米国、パナマ)でしたが、2017年度実績(10,522千トン)は中東39.3%に対し米国55.7%と大きく変わりました。米国からの輸入量は前年度実績比+55.3%増の58,645千トン。2017年度はオーストラリアも13.7%増えて327千トンとなりました(輸入総量に対するシェアは3.1%)。

LPG輸入国別明細


電力小売自由化から2年、事業撤退にともなう消費者相談事例を紹介

2018年7月

 独立行政法人国民生活センターと経済産業省電力・ガス取引監視等委員会は、6月13日に発信した「電力自由化をめぐるトラブル速報! No.11」で、「電力の小売全面自由化が始まって2年が経過した。正確な情報を収集し、契約内容をよく理解しましょう。便乗した勧誘にも気をつけましょう」と呼びかけました。また、この中で新規参入の一方で撤退を考える事業者も現れ始めているとして、消費者から寄せられている相談事例を紹介するとともに、アドバイスを提供しています。

相談状況

 各事業者の営業活動が本格化した2016年1月以降、国民生活センター・消費生活センターへは4,608件(平成30年6月8日現在)、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会へは2,151件(同)の相談が寄せられている。


相談件数の推移(国民生活センター)




同(委員会相談窓口)

大阪北部地震、都市ガス11.2万戸ストップ

2018年7月

 6月18日午前7時58分、大阪府北部を震源とする「大阪北部地震」(M6.1、最大震度6弱)が発生しました。ガス関係では都市ガス(大阪ガス)で11.2万戸の供給支障が起き、復旧に1週間を要しました。

LPガス目立った事故報告なし

 LPガスは2ターミナルとも点検終了後、出荷を開始(経済産業省、19日)。需要家施設では一部配管で不具合があったものの、処置済み(同、20日)。

 一方、停電は最大17万件発生し、19日午前中に解消しました(同、19日)。


全L協総会、“もっと安全さらに安心”運動開始

2018年7月

 (一社)全国LPガス協会は6月8日、東京都内で開いた2018年度通常総会で、新年度の重点事業として「新たな保安3カ年運動の開始」「高効率機器普及を中心とした需要開発運動の推進」「タクシー依存脱却を目指したLPガス自動車の普及拡大」などを決めました。また、任期満了にともなう役員改選で、新会長に九州ブロック代表で(一社)鹿児島県LPガス協会の会長である秋元耕一郎氏を選任しました。

秋元新会長、「大きな環境変化に迅速に対応する」

 秋元新会長は就任あいさつで、「来年はLPガス小売、卸売、オートガススタンドの3業界が統合して10年になります」と紹介のうえ、「統合の理念を深化させ、業界内外にワンボイスを発信していきたい。“保安なくして経営なし”の金言を守りつつ、エネルギー間競争の激化、人口減少・人手不足という大きな環境変化に迅速に対応することで乗り切っていきましょう」と呼びかけました。

2018年度の重点事業

●保安活動:「LPガス快適生活向上運動“もっと安全さらに安心”」(3カ年計画)を開始
⇒地方LPガス協会が活動内容を決め、主体的に推進
⇒活動テーマに「他工事による事故防止」対策を追加
●需要開発:これまでの3活動を継続実施
⇒高効率機器の販売促進
⇒災害にも強いLPガスの周知
⇒次世代への火育・食育
●オートガス販売:LPガス自動車の普及拡大
⇒(ハイブリッド車登場で需要減が見込まれる)タクシー依存からの脱却
⇒運輸分野のエネルギー多様化に対応した導入提案
●エネルギー自由化:地域密着型の総合生活ライフライン事業への高度化


経産省、「新電力への累計スイッチング率(低圧)が10%超」

2018年7月

 経済産業省は6月18日、「新電力への累計スイッチング率(低圧)が10%を超えた」と公表しました。一般家庭向け(低圧)での新電力への累計スイッチング率が、2016年4月の小売全面自由化以降2年経った2018年3月、はじめて10%(件数ベース)を超えたもので、旧一般電気事業者内の規制料金から自由料金へのスイッチング(インターナル・スイッチング)を含めると16.2%となります。

エリアごとの新電力へのスイッチング率

 大都市部を中心にスイッチングが進んでいる。2018年3月末時点・件数ベースで、北海道:10.0%、東北:4.4%、東電PG:13.9%、中部:7.5%、北陸:3.0%、関西:13.1%、中国:2.9%、四国:4.3%、九州:6.5%、沖縄エリア0.0%となっている。

エリアごとのスイッチング率


2017年のバルク貯槽生産、3年ぶりに1万基台に乗る

2018年7月

 (一社)日本溶接容器工業会がまとめたバルク貯槽生産状況によると、2017年の生産数は1万731基となり、前年を9.3%上回りました。1万基の大台に乗るのは3年ぶり。「バルク20年検査」の事前対応による前倒し需要を反映していると見られています。

「バルク20年検査」事前対応による前倒し需要も反映

 容量別に見ると1,000kg未満が3,644基で50.4%増、500kg以下が3,149基で5.7%増、300kg以下が3,665基で7.3%減などと、1,000kg未満が大きく増え、300kg以下が減りました。これら3タイプで全体の97.5%を占めています。

溶接容器は前年実績下回る、アルミ容器2.5万本生産

 一方、溶接容器の生産状況は、1,82万4,830本となり、前年実績を4.8%下回りました。本格的に流通し始めたアルミ容器は、うち1.5%、2万5,001本(20kg以下16,600本、50kg以下8,400本など)。

 容量別に見ると、50kg以下が1,08万5,828本(前年比7.8%減)で全体の59.5%、20kg以下が66万4,882本(0.7%減)で36.4%、10kg以下が7万3,886本(8.7%増)で4.0%を占めています。

自動車用は42.7%増の2.5万本

 なお、自動車用容器の生産本数は2万5,327本となり、前年を42.7%も上回りました。近年の2万本ペースが昨年は1万7,743本に減少、今年その減少分約4,000本を超える約7,600本の増産となりました。

バルク貯槽等生産実績(日本溶接容器工業会まとめ)


電力・都市ガス小売自由化、大都市圏で大競争進む

2018年6月

 電力・ガスシステム改革によるスイッチング件数は、電力小売は自由化から2年で709.6万件と700万件を突破し、需要家数の11.35%に、都市ガス小売は1年で84.2万件と80万件を超え、3.32%に達したことがわかりました。
 スイッチング数・率を地域別に見ると、電力は東京電力管内349万件・15.22%、関西電力管内149万件・14.80%が多く、これに件数では中部電力72万件・9.44%、九州電力管内49万件・7.87%、率では北海道電力管内35万件・12.59%が続いています。都市ガスは近畿39万件・6.30%、関東27万件・2.10%、中部・北陸12万件・5.07%、九州・沖縄5.5万件・3.84%という状況にあります。


LPガスは災害時供給の「最後の砦」
第5次エネルギー基本計画でも位置付け

2018年6月

 経済産業省・総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で検討が進められている「第5次エネルギー基本計画」(2030年達成)は、5月16日開催の第27回会合で素案が了承されました。今夏に閣議決定される予定です。「主力電源化」を図る再生可能エネルギーと「重要なベースロード電源」である原子力との位置付けが争点となりましたが、LPガスについては第4次計画をほぼ踏襲。「平時の国民生活、産業活動を支えるとともに、緊急時にも貢献できる分散型のクリーンなガス体エネルギー」であり、災害時にはエネルギー供給の「最後の砦」になると位置付けています。

2030年に向けた政策対応(⑤~⑪は略)

①資源確保の推進:化石燃料の自主開発、強靱な産業体制の確立
②徹底した省エネ社会の実現:省エネ法の措置と支援策の一体的実施
③再生エネの主力電源化:低コスト化、系統制約克服、調整力確保
④原子力政策の再構築:福島の復興・再生、不断の安全性向上と安定的な事業環境の確立
●LPガス政策の方向性
◇災害時にはエネルギー供給の「最後の砦」となるため、備蓄の着実な実施や中核充填所の設備強化などの供給体制の強靱化を進める。
◇料金透明化のための小売価格調査・情報提供や事業者の供給構造の改善を通じてコストを抑制することで、利用形態の多様化を促進するとともに、LPガス自動車など運輸部門でさらに役割を果たしていく必要がある。
●石油産業・LPガス産業の事業基盤の再構築(うち、「石油・LPガスの最終供給体制の確保」)
◇消費者とのつながりを有する強みを生かした事業多様化を進め、「地域コミュニティのインフラ」としての機能をさらに強化すべき。
◇こうした取り組みを、AI・IoTなどの新技術を活用して人手不足を克服すると同時に、安全で効率的な事業運営や新たなサービスが創出できるよう、消防法・液石法など関連規制の在り方を検討。
◇エネファーム等のLPガスコージェネ、GHP等の利用拡大、電気・都市ガス事業、水素燃料供給事業への進出や、アジアへのLPガスの安全機器の輸出などに取り組むべき。
◇過疎化の進行に伴う遠隔地への配送や少子高齢化に伴う人手不足に対応するため、共同配送・共同保安による事業効率化、集中監視導入による認定販売事業者制度の取得、バルク供給など促進。
◇将来的にはクリーンな船舶用燃料として運輸部門での燃料多様化を担うことも期待。

詳しくはこちら→PDF「第5次エネルギー基本計画案」

全国の販売事業者数、2017年度末で18,516者へと減少

2018年6月

 経済産業省(ガス安全室)が5月9日に公表した2017年度(2018年3月末)のLPガス販売事業者数は1万8,516事業者となって、前年度より▲508事業者減少しました。所管別では本省50者(前年度比2者減)、産業保安監督部180者(8者増)、都道府県1万8,286者(514者減)。

この2年で約1,000者が廃業、充てん関係は増勢

 販売事業数は2015年度に2万者を割り込みましたが、その後2年間で約1,000者が廃業したことになります。
 一方、保安機関数は1万8,935者で505者減、充てん事業者数は933者(23者増)、充てん設備数は2,441台(63台増)。保安認定販売事業者はゴールドが前年度の225者から231者(第一号)に、認定販売事業者は9者から者15者(第二号)となり、全体では12者の増加。


2017年度出荷・販売、GHP3万台割れ、エネファーム伸び悩み

2018年6月

 LPガス業界が設置拡大に取り組んでいるGHP、エネファームの2017年度出荷・販売実績がまとまりましたが、GHPは前年度実績を割り、エネファームは伸び悩みました。

GHPは災害対応とリプレイス獲得、エネファームはZEHの強化を

 GHP出荷(GHPコンソーシアム)はLPガス仕様機が6,236台、都市ガス仕様機が2万2,499台で、計2万8,735台となり、3万台を割り込みました(前年度実績3万472台)。LPガス仕様機は▲113台の減少。
 エネファーム販売(コージェネ財団)はLPガス仕様機が3,215台、都市ガス仕様機が4万5,615台で、計4万8,830台となり、前年度実績に比べ+1,760台増にとどまりました。LPガス仕様機は▲19台の減少。GHPは災害対応とリプレイス需要の確実な獲得、エネファームは工務店ルートへのZEHの強化が求められています。


2017年度CIF価格、4年ぶり上昇

2018年6月

 財務省・貿易統計によると、2017年度のLPガスCIF(入着)価格は、総合計ベースでトンあたり5万7,754円となり、前年度より1万3,169円上昇しました。値上がりは4年ぶり。うち、プロパンは5万7,702円、ブタンは5万7,954円で、それぞれ+1万3,545円、+1万1,460円の上昇。為替レートは1ドル110.97円で、2.21円の円安ドル高。

総輸入量・米国輸入量

 総輸入量は前年度より+1.9%多い1,074万トン。うち、米国からの輸入は全体の56.9%にあたる611万トンに増えました(前年度は36.7%)。次いでカタール136万トン、UAE111万トン、クウェート100万トンなど。


2018年度LPガス需要見通し、家業用4.3%減・自動車用5.9%減

2018年5月

 経済産業省・総合資源エネルギー調査会の石油市場動向調査ワーキンググループの第5回会合が4月5日に開かれ、LPガスの「2018~2022年度LPガス需要見通し」が了承されました。それによれば、電力用を除く2017年度実績見込みの14,274千トン(前年度比3.0%増)に対し、2018年度は14,325千トンとなり、0.4%増となる見通し。

家庭業務用・自動車用動向

 利用世帯の減少と機器の高効率化が進む家庭業務用は6,130千トンで4.3%減、また台数の減少と燃費の向上が進んでいる自動車用は905千トンで5.9%減と大きく減少。一方で都市ガス用(1,233千トン、12.5%増)、化学原料用(2,904千トン、8.6%増)が増える見通し。

2017-2020年の伸び率(年率)

 家庭業務用が1.6%減、自動車用が5.0%減と今後も漸減傾向が続き、2017年実績見込みに対する2022年度見通しは家庭業務用が7.5%、自動車用については22.6%もの大きな減少となる見通し。

 


エネファーム補助金、2018年度もLPG仕様追加補助継続

2018年5月

 2018年度のエネファーム補助金は4月9日から(一社)燃料電池普及促進協会で募集が始まりました。既築、LPガス対応、寒冷地に対する各3万円の追加補助が継続されたほか、マンションが対象に追加されました。同協会サイトからは地方自治体のエネファーム補助金もチェックできます。


エネ庁「料金公表調査」結果、公表事業者75.6%

2018年5月

 資源エネルギー石油流通課が、一般財団法人エルピーガス振興センターに委託して今年2~3月に全国のLPガス販売事業者(18,589件)を対象に実施した「LPガス料金の公表状況調査」の結果が明らかになりました。


HP+店頭2.1%、HPのみ5.0%、店頭のみ68.5%

 それによれば、有効回答数12,191件(回収有効回答率65.6%)の結果は、料金公表事業者が9,214件(有効回答数の75.6%)となり、前年度調査より3,852件増えました。
 これは全国総販売戸数の64.2%にあたり、前年度調査より26.7ポイント上昇したことになります。

まとめと課題のポイント(報告書より)

●店頭公表が中心であるが、公表が進んでいる。全国販売戸数に対する公表率は昨年度調査時における予定を含む公表率(66.0%)を少し下回る状態にある。
●公表事業者の多くが「何も変わらない」と回答しているのは、消費者側への浸透度がまだ低いことも一因。今後、自社の営業・経営戦略のメリットとして顧客との信頼関係の深化、新規顧客の獲得につなげる姿勢が求められる。
●非公表事業者の多くは、公表しない理由として現在の顧客に料金表を配布・通知していることを挙げている。背景には、LPガス市場が競争環境にあるとの意識がなく、新規顧客の獲得に関心がないこともある。
●公表する事業者がこの1年間と同様に増加していくか懸念もあるが、取引適正化ガイドラインとLPガス販売指針が一層浸透するよう今後の取り組みの進展に期待したい。


平成29年事故、前年に続き死亡ゼロ、他工事事故増加

2018年4月

 経済産業省(ガス安全室)が3月16日に公表した平成29年のLPガス事故発生状況によれば、事故発生件数は185件となって、前年より46件増えました。ただ、死者は前年に続き0人で、負傷者数も50人で前年(52人)並みとなりました。
 原因者別に見ると、一般消費者等が29.2%(平成26~28年平均:32.3%)、一般消費者等+販売事業者等が1.6%(2.0%)、販売事業者等が21.6%(16.0%)、その他事業者が31.9%(17.0%)、雪害等自然災害が6.5%(16.2%)となっており、他工事による事故割合が倍増しました。

業務主任者等の選解任など、2019年6月から電子申請可能に

2018年4月

 経済産業省は、2019年2月から2020年2月の間に、電気事業法、ガス事業法、液石法でも電子申請システムを順次導入していく考えです。液石法では、業務主任者等の選解任など4手続について、2019年6月からサービス利用を開始する予定。
 経済産業省としては今後、システム開発に向け、外部との検討会や行政(手続き)のBPR(見直し)を実施するとともに、必要に応じて法令改正等の整備も進めて、2018~2019年度に順次導入。火薬類取締法、鉱山保安法も含め、37手続についてサービス利用を開始する予定です。

経済産業省、次期保安対策指針(行動計画)の考え方を提示

2018年4月

 経済産業省(ガス安全室)は3月16日に開催した産業構造審議会・液化石油ガス小委員会で、2021年以降の「次期保安対策指針(行動計画)」について基本的な考え方を説明しました。事故起因ごとに数値目標を設定したうえで、新たに国・自治体・関係事業者・需要家といったステークホルダーの役割も明確化。個別活動の重要度をはっきり示すことで、重点的で効率的な取り組みを促す仕組みとしたい考えです。


現保安目標は継承(人数は今後見直し)

 1988年以降、毎年度改訂を加えながら策定している「液化石油ガス販売事業者等保安対策指針」が30年を経過したことから、次期保安対策の検討に入ることにしたものです。
 業界を取り巻く社会情勢の変容や関連技術の進捗、それらに応じたリスクの変化をマクロに捉えた内容とし、今年度末までに骨子(案)を提示して小委で審議を開始。2020年度末に最終的な計画を決定し、2021年度から移行する予定。

次期保安対策指針の基本的な考え方

●目標年次
  • 目標期間は2021~2030年度(10年間)。5年経過後、中間評価を実施。
  • 目標・指標

  • 現保安目標(死亡事故ゼロ、負傷者数25人未満)は引き継ぐ(人数は今後検討)。
  • 事故起因(一般消費者等、販売事業者等、供給設備、消費設備)ごとに数値目標を設定する。
  • 実行計画(アクションプラン)

  • これまでの販売事業者・保安機関による取り組みのほか、国・自治体・関係事業者・需要家など、ステークホルダーの役割を明確化する。
  • IoT/AIといった新技術の活用状況、保安のスマート化、保安人材の確保、国際化の進展なども踏まえた新たな要素を抽出し、各主体に期待すべき活動をアクションプランとして構築する。
  • そのうえで、要因ごとの指標を効率的に達成するため、事故分析の精緻化を進め、個別活動における重要度を明確化して、重点的な取り組みを促す仕組みとする。

2018年度の太陽光買取価格、10kW未満は「決定なし」

2018年4月

 経済産業省は3月23日、再生可能エネルギーの2018年度の買取価格・賦課金単価等を決定しました。それによれば、太陽光の2018年度以降の新規参入者向け買取価格は、住宅用(10kW未満、ダブル発電含む)は決定せず、非住宅用(10kW以上2,000kW未満)は18円+税(2017年度:21円+税)に下方修正しました。


賦課金単価は1kWhあたり2.90円、年9,048円に

 一方、2018年度(2018年5月~2019年4月検針分)の賦課金単価は1kWhあたり2.90円に決定。これは月間使用量が260kWhの標準家庭で754円の負担となり、年間では9,048円となります。

JGKA、ガス機器の2017年度実績見込み額0.1%増
Siセンサーコンロ累計3,500万台を突破、エコジョーズも堅調

2018年4月

 (一社)日本ガス石油機器工業会(JGKA)は3月5日、ガス・石油機器の2017年度出荷実績見込みと2018年度出荷予測を明らかにしました。それによれば、2017年度のガス機器出荷額は緩やかな景気回復、前年並みの新設住宅着工、さらに30数年ぶりの寒波襲来で、年度当初の予測どおり2,935億円(前年度比100.1%)が見込まれます。2018年度は新設住宅着工がやや減少するものの、景気回復はなお進むと予測し、前年度並みの2,947億円(100.4%)を見込んでいます。


2018年度、2,947億円と前年度並みを予測

●2017年度実績見込み
 調理機器(カセットこんろを除く)1,044億円(99.6%)、温水機器1,763億円(100.3%)、暖房機器75億円(97.9%)、カセットこんろ52億円(107.7%)と予測。ガス機器合計では2,935億円(100.1%)が見込まれる。
 2018年3月末には、Siセンサーコンロ出荷台数の累計が3,500万台を突破し、エコジョーズも堅調に推移して、前年度を上回ることが見込まれる。
●2018年度出荷見込み
 調理機器(カセットこんろを除く)1,050億円(101%)、温水機器1,769億円(100%)、暖房機器76億円(101%)、カセットこんろ52億円(100%)と予測。ガス機器合計では2,947億円(100%)が見込まれる。

詳しくはこちら→PDF「ガス・石油機器 2017年度出荷実績見込み・2018年度予測」

軽く腐食に強いFRP容器、「50ℓ以下(20kg以下)」登場へ

2018年4月

 大幅に軽いうえ腐食性にも強い繊維強化プラスチック製のLPガス用容器(FRP容器)はこれまで「25ℓ以下(10kg以下)」に限定されていましたが、新技術を迅速に導入できるよう新たに設けられたファスト・トラック制度の第1号として、「50ℓ以下(20kg以下)」も製造・検査ができるよう認められました。


新技術を迅速に導入するファスト・トラック制度第1号

 50リットル以下のFRP容器にも対応できるよう日本LPガス団体協議会が規格を改正し、1月12日に高圧ガス保安協会に審査を申請。これを受け、ファスト・トラック制度に基づいて当該規格の安全性が3月14日に評価され、高圧ガス保安協会から公開されました。
 これにより、この規格に基づいて製造されたFRP容器は、高圧ガス保安法に適合するものとして迅速に利用できることから、FRP容器の本格普及につながると期待されています。

バルク検査、「期限に余裕を持ち、細心の注意」で
30年度指針、誤開放・他工事事故防止も新設・追加 を

2018年4月

 経済産業省(ガス安全室)は3月16日に開催された産業構造審議会液化石油ガス小委員会で、平成30年度保安対策指針案を提示し、新規項目と実効性を高める取り組みについて説明しました。平成30年度指針は、平成29年度指針を踏襲しつつ、バルク貯槽20年検査、販売事業者起因事故の防止対策(供給管・配管、機器)に新規項目を追加するとともに、誤開放防止対策を新設しました。


平成30年度指針への追加・新規項目

●バルク貯槽等の20年検査に向けた体制整備(追加部分)

①(20年検査に関する具体的な計画を策定し)その推進を図ること。
②対象となるバルク貯槽等が増加することで関係業者の手配が困難になる場合も考えられることから、期限に余裕をもって対応を行うこと。
③バルク供給先の周辺環境に変化が生じ、搬出が困難な場所も見受けられることから、保安の確保に留意しつつ、搬出作業にあたっては労働災害の発生の防止、社会的に大きな影響を及ぼす重大事故の発生が無いよう細心の注意を払うこと。
④販売事業者は、自社の従業員のみならず、に関係する工事事業者、運送事業者に対し、事故防止に努めるよう保安教育を積極的に実施し、事故防止の徹底に努めること。

●誤開放防止対策の推進(新設)

 コンロ購入時に付属しているホース口保護用のプラスチックキャップや保護キャップ、ビニールテープ等を取り外してゴムキャップを挿入すること。また、正しく挿入されていない場合は改善すること。

●LPガス販売事業者等に起因する事故の防止対策(追加部分)

①供給管・配管の事故防止対策 特に、上下水道等の敷地内工事による配管等損傷事故を防ぐため、一般消費者等のみならず、上下水道等の工事関係者に積極的な周知を行うこと(本年2月、厚生労働省、国土交通省を含め、他工事事故防止の徹底を要請済)。
②機器の事故防止対策 特に、販売事業者作業ミス事故で多いガスメーターの交換時の施工不良等による漏洩を防ぐため、施工後に漏洩状況の確認等を適切に行うこと。

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