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顧客切替に関する基本ルール

顧客切替に関する基本ルール  ~消費者保護を目的とした公正取引の確立のために~

1 「顧客切替に関する基本ルール」第4版発行にあたり

社団法人 神奈川県エルピーガス協会では、平成9年4月1日に施行された改正液化石油ガス法の主旨を踏まえ、業者間の健全な競争のための最低限度のルールとして、平成9年12月に「顧客切替に関する基本ルール」を作成、発表した。
この「顧客切替に関する基本ルール」の目的は、業界の健全な発展を阻害する無謀な顧客切替の抑止と共に、消費者が自己責任で事業者を選択するための情報の開示、また業者間の公正な競争を促進するためのルールを液化石油ガス法等の関係する法律を基に示したものである。
この「顧客切替に関する基本ルール」については、業界内はもとより、行政、消費者団体、司法からもその評価を得ると共に、無断撤去の禁止は平成13年8月1日施行の省令改正の原動力となり、業界に反映されることとなった。
初版から4年を経て第4版の発行となった今日、LPガス業界の動向は、エネルギー制度改革の議論等にみられるように、電気、都市ガス等、他エネルギーとの激しい競合の中に突入している。業界外との激しい競合が今後の業界内競争を一層激化させるであろうことは、容易に予測できる。こうした中にあって、同業者間の顧客切替を完全に抑止することは困難であると共に、消費者利益に反することにもなる。
「顧客切替に関する基本ルール」初版でも述べた通り、消費者のLPガス販売事業者選択は基本的に自由であり、消費者は「保安」「サービス」そして「価格」等さまざまな角度から事業者を評価し、最も満足度の高い販売事業者を自己責任により選択すべきである。事業者はその選択に叶うために自由競争を勝ち抜くための企業努力を行うべきであり、また個々の企業努力の結果が、LPガスのイメージの向上と消費者の信頼獲得、そして業界発展につながっていくのである。
顧客切替そのものに問題があるのではなく、ルールに反した顧客切替が問題なのである。
その意味で、「顧客切替に関する基本ルール」は、業界の健全な発展と消費者利益の実現を同時に達成していくための最低限度のルールであることを理解されたい。ルールを遵守する事業者が消費者の支持を獲得し、結果として事業の繁栄を勝ち取るという業界環境を形成するために、関係各位のご理解とご協力を期待して止まない。

平成14年3月
社団法人 神奈川県エルピーガス協会
会 長  菊 池 鴻 逸

(1)顧客切替に関する基本ルール【第4版】の発行について

経済産業省は、液石法規則の一部を改正する省令を公布し、平成13年8月1日に施行しました。改正のポイントは、「供給設備無断撤去の禁止」を罰則付きで明記した点にあり、一週間以内の無断撤去行為は、民法上の自力救済の禁止を論ずるまでもなく、液石法の処罰の対象となりました。また、同日施行された改正通達では、消費者の解約通知から現販売事業者による供給設備の撤去までの期間について、「原則として一週間以内」との見解が示されました。
そこで社団法人 神奈川県エルピーガス協会(以下、当協会)では、すべてのLPガス販売事業者が改正規則と改正通達を遵守し、供給設備の無断撤去行為も不撤去行為もない、適法かつ適切な行動をとられることを期待し、すでに発表されている「顧客切替に関する基本ルール」(以下「基本ルール」)の内容を再検討し、新たに「顧客切替に関する基本ルール」第4版として公表します。

1 基本ルールの作成の経緯

平成9年4月1日に施行された改正液化石油ガス法は、LPガスの保安確保と取引適正化を一層推進することを目的にしています。法改正に前後し、顧客切替をめぐるトラブルが顕在化していた地域の当協会では、この改正の「取引適正化」の側面には、さらに一歩踏み込んだ意図が込められていることを理解すべきであると判断していました。それは、改正により「LPガス販売事業者選択の自由」を消費者が再認識し、事業者は消費者の選択に叶うべく「保安」「サービス」そして「価格」等さまざまな面での自由競争を勝ち抜く企業努力を行うことにより、LPガスとLPガス業界の一層の信頼向上をはからなければならないというものです。
また一方で、当協会には、強引な顧客切替営業による業者あるいは消費者をも巻き込んだトラブルが報告されるようになりました。自由競争の名のもとに、こうした無秩序な顧客争奪が頻発化することは、消費者のLPガスとLPガス業界への信頼を損ないかねないと憂慮した多くの当協会会員は、顧客切替のルール化を求めました。
そこで当協会では、法改正の主旨を踏まえ、業者間の健全な競争のための最低限度のルールとして、平成9年12月に「顧客切替に関する基本ルール」を作成・発表しました。

2 基本ルールの評価

もとより「基本ルール」は業界団体である当協会が作成した《自主ルール》であり、その遵守は販売事業者のモラルに委ねられるものでありました。また、会員の利益を守る立場の協会が作成したルールであっても、その適用範囲が当協会の非会員や消費者とのトラブルをも想定するルールであることから、法を遵守することはもちろんのこと、その解釈においても、公平性を確保することに十分な配慮を行いました。
当協会版「基本ルール」作成にあたり、当協会が関係機関の指導を仰ぎ、またその理解も得るよう努めたことも、より多くのLPガス販売事業者が同ルールを尊重していただくための公平性を志向したたためです。
その結果、「基本ルール」は、その後の業者間および業者・消費者間トラブルの解決にあたっての判断基準として大いに活用されることとなりました。さらに(社)日本エルピーガス連合会が作成した業界自主ルール「LPガス販売指針」策定の際の重要な基礎情報のひとつともなっています。

3 基本ルールの社会性と第4版の作成

業界内において、まさに「顧客切替に関する基本的なルール」として位置付けられた本「基本ルール」は、顧客切替をめぐる訴訟においても援用され、「基本ルール」を重視した判例も出されるなど、「基本ルール」はその目的を十分に発揮し、業界内外に評価されてきました。
しかしながら、なお一部に、「基本ルール」が《自主ルール》であることを理由に、同ルールを軽視した顧客切替を強行する業者が存在することも事実であり、「基本ルール」の内容の法令化や、法による罰則規定の必要を求める声も数多く寄せられていました。当協会では、行政や消費者団体を交えた会合等において、その声と不法行為の実態を報告するとともに、行政機関に対し、「基本ルール」違反行為に対する指導も要請してきました。
平成13年8月1日に経済産業省は「液石法規則の一部を改正する省令」を施行しましたが、その改正ポイントのひとつである「供給設備無断撤去の禁止」とその罰則規定は、「基本ルール」の内容が法令に基づく形となり、ルール違反に対するペナルティが課せられるようになったとも理解することができます。
今回の省令改正により、「基本ルール」に含まれていた《自主ルール》のうち、法令(規則・通達等)によって明確に定められた部分と、その主旨からより徹底しなければならない《自主ルール》とが生じてきました。今回、当協会では、それを踏まえ、省令改正に適応した新たな「顧客切替に関する基本ルール」として、省令改正に対応した【第3版】を作成し、さにらに議論を深め本【第4版】の作成に着手しました。
作成にあたっては、前回と同様に等協会顧問・若林正弘弁護士の監修を得るとともに、業界内外の評価を得てきたことで《自主ルール》を超えた社会性を持つに至った「基本ルール」の公平性を、より一層高めるために、作成過程で経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課にご指導を頂いた上で発行いたしました。

省令改正や判例に伴う「基本ルール」の主な改訂箇所

「顧客切替に関する基本ルール」【第2版】から【第3版】への改訂にあたっては、平成13年8月施行の省令改正や最近までの判例に対応し、主に以下の項目・内容を修正・加筆・削除しています。さらに【第4版】では、【第3版】記載内容のうち、経済産業省資源エネルギー庁の指導意見を踏まえ、一部曖昧な文言の修正や語句の加筆を行っています。

1.【第2版】の「解約通知は事前に」のルール・内容を、【第3版】以降では「事前連絡を守ろう」「原則一週間ルールを守ろう」としました。
※新通達で「原則一週間ルール」が示されましたので、解約予告期間は新通達に沿うものとしました。

2.【第2版】の「供給設備無断撤去の禁止(自力救済禁止)」のルール・内容を、【第3版】以降では「供給設備無断撤去の禁止」としました。
※新規則で「供給設備無断撤去の禁止」が規定され、一週間以内の無断撤去行為は、民法上の「自力救済の禁止」を論ずるまでもなく、液石法の処罰の対象になりました。

3.【第3版】以降では「消費設備(配管)の清算」について、「LPガス販売契約を結ぶ際に、消費者に屋内配管設備(消費設備配管)の所有権が業者にあるのか、建物所有者にあるのか明確に説明する」必要を付記しています。
※消費設備(配管)の所有権が業者側にあるという契約を締結するためには、消費者の理解と納得が重要となります。 

4.【第3版】の「解約予告期間遵守の原則」を、【第4版】では「『原則一週間ルール』を遵守」に統一しました。

5.4.以外の【第3版】についての経済産業省資源エネルギー庁の主な指導意見は以下の通りです。(【第4版】では原則として指導意見に沿って修正・加筆・削除しています。)
【第3版】3ページ「省令改正や判例に伴う[第3版]での主な改訂箇所」下から3行目「※屋内配管設備(消費設備)と建物(不動産)との「附合」については、裁判所の判断が分かれていますが」は削除が望ましい。(同19ページの記述も同様)
【第3版】10ページ「解約の効力が発生し、現販売事業者の供給設備の撤去義務は、この時点で生じます。」 → 「解約予告期間の終了とともに、解約の効力が発生し、現販売事業者の供給設備の撤去義務が生じます。」
【第3版】11ページ本文上から6行目に「また、現販売事業者がいたずらに撤去を引き延ばすことも慎まなければなりません。」を挿入。
【第3版】13ページ「契約の解除が」 → 「契約の解除の申し入れが」
【第3版】18ページ「現販売事業者と消費者が約定した解約予告期間」 → 「原則一週間ルール」
【第3版】21ページ「消費者や新販売事業者が、現販売事業者に」 → 「消費者や新販売事業者が、相当期間が経過しないうちに、現販売事業者に」 
【第3版】21ページ「解約の効力が生じた後」 → 「解約の申し入れがあった後、原則一週間以内に」【第3版】24ページ、25ページ「明確な」 → 「正当な」
【第3版】24ページ、26ページ「許可」 → 「承諾」

資料【基本ルールの評価】

(プロパン新聞2000年11月13日付)
東京高裁、神奈川基本ルールを評価
当協会が作成した「顧客切替に関する基本ルール」に一定の法源性が認められ、「ルールの趣旨を踏みにじったもので違法性は免れない」と裁定されたことは、法廷で自主ルールが高い評価を得たもので、自由競争の一つの柱が立ったものと評価できる。
(不法な顧客切替行為により被害を受けたことを裁判所に訴え、1審・横浜地裁、2審・東京高裁のいずれも勝訴した販売事業者の弁護団弁護士が、記者会見で語ったコメント記事。東京高裁の判決は平成12年10月11日)

顧客切替に関する基本ルールの確立について(初版発行にあたり・再録)

消費者のLPガス販売事業者選択は基本的に自由であり、消費者は「保安」「サービス」そして「価格」等さまざまな角度から事業者を評価し、最も満足度の高い事業者を自己責任により選択すべきである。事業者はその選択に叶うために自由競争を勝ち抜くための企業努力を行うべきであり、また個々の企業努力の結果が、LPガスのイメージの向上と消費者の信頼獲得、そして業界発展につながっていくのである。
しかしながらそれらの前提には、消費者が自己責任で事業者を選択するための正しい情報が公開されていなければならず、また事業者の自由な競争も、消費者保護を目的とした法令を遵守したものでなければならない。
仮に、自由競争の名のもとに法令を無視したり、欺瞞的な方法で消費者を獲得することが横行したならば、消費者の利益は結果として著しく失われる。また競争の過程で消費者と事業者、あるいは事業者間で混乱やトラブルが多発するようであっては、LPガスと業界のイメージは大きく低下する。
したがって自由な競争においても、業者間には最低限度のルールが必要であり、またそれを広く消費者に告知しておく必要がある。
以上の観点を踏まえ、我々は消費者に告知すべき「業者間の最低限度のルール」として、「顧客切替に関する基本ルール」を策定した。
このルールは、平成9年4月1日より施行された改正液化石油ガス法と、それに伴う政省令および行政指導の主旨である、消費者保護の視点での「保安確保」と「取引の適正化」の実践ルールであり、消費者の支持により企業と業界の発展を希求する事業者が持つべきモラルの、具体的なルールであると理解されたい。
また、当協会は、今後本ルールの内容及び活用について関係各位のご意見を幅広く賜わり、より充実したルール内容としていくものである。
なお、当協会は、本ルールが他都道府県におけるルール策定にあたり大いに活用、議論されることを希望すると共に、その内容を当協会にもお知らせ願いたい。

平成9年12月
社団法人 神奈川県エルピーガス協会
会 長  菊 池 鴻 逸

資料【顧客切替のルール化に関する行政の考え方】

(日刊プロパン・ブタン情報1997年9月26日付)
全卸協研修会で木村委員長、村田室長が消費者重視を要請する。
全国LPガス卸売協議会が二十四日に開いた「経営研修会」で、木村紀武業務委員長が開会挨拶、村田光司資源エネルギー庁LPガス産業室長が講演の中で最近の顧客切替問題を指摘し、“消費者利益の増大を念頭においた規律ある行動”を求めた。いずれも、現顧客に対する勧誘活動の活発化、それに対する地域業界の対応に対して言及したもの。木村委員長は「規制緩和は電力、都市ガス、LPガスが一巡し、電力、都市ガスは第2ラウンドを迎えている。こうした中で、法改正の趣旨を誤解した動きが関東地区で起き、問題化している。」と指摘。そのうえで「法改正は消費者利益の増大を狙い、LPガス流通の中核にいる卸売業者は法改正の目的を理解し、倫理感に基づいた行動をとるよう願いたい」と要請した。村田室長は「大いに競争をやっていただいて結構だが、消費者の満足を重視する視点が重要である。一定のルールさえ無視した行動は、LPガス産業全体に対するイメージダウンを招く」と述べ、「ルールに従って正々堂々と競争することが消費者、業界双方の利益に結びつく」と指摘した。

資料1

(1)省令
○平成13年経済産業省令第182号(平成13年7月11日公布、平成13年8月1日施行)

第十六条第十五号の次に次の一号を加える。

十五の二 新たに一般消費者等に対し液化石油ガスを供給する場合において、当該一般消費者等に液化石油ガスを供給する他の液化石油ガス販売事業者の所有する供給設備が既に設置されているときは、一般消費者等から当該液化石油ガス販売事業者に対して液化石油ガス販売契約の解除の申し出があってから相当期間が経過するまでは、当該供給設備を撤去しないこと。ただし、当該供給設備を撤去することについて当該液化石油ガス販売事業者の同意を得ているときは、この限りでない。

(2)通達
改正 平成13年7月11日 平成13・06・29資庁第17号

液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の全部を改正する省令の施行に当たって、次のとおり運用及び解釈の基準について定める。
(抜粋)
第16条(販売の方法の基準)関係
2.第15号の2中「解除の申し出」とは、一般消費者等(契約の当事者)から、契約の当事者である液化石油ガス販売事業者に対してなされる、契約を解除する旨の明確な伝達のこと。
この規定は、本来、供給設備の撤去は、供給設備を所有する液化石油ガス販売事業者が行うべきものであり、撤去のための準備期間が必要であることから、解除の申し出があってから相当期間を経過しないうちに、他の液化石油ガス販売事業者が供給設備を撤去することを禁止するものである。
なお「相当期間」については、供給設備を所有する液化石油ガス販売事業者の業務状況や一般消費者等との間の液化石油ガス料金等の清算手続のために必要な期間等を総合的に勘案して判断するものとし、原則として一週間を基準とする。
3.第16号中「遅滞なく」とは、一般消費者等(契約の当事者)から要求があった場合には、その後、事情の許す限り最も早くとのことであり、当該販売事業者の業務状況に鑑み、合理的な期間内で撤去を行うべきとの趣旨である。具体的には、当該販売事業者は、原則として一週間以内にその所有する供給設備を撤去すべきである。
なお、切替工事の日程等新旧販売事業者間で調整が必要な場合には、すみやかに調整を行い解決を図るべきである。
また、遅滞なく撤去することとの規定であり、○月○日○時に撤去せよとの請求権を一般消費者等に付与するものではなく、合理的な期間内での撤去を定めているものである。
同号中「撤去すること」とは、当該販売事業者に撤去義務を課しているだけであって当該販売事業者に撤去する権利を付与するものではない。
ただし書きに定める事項として「撤去が著しく困難である場合」とは、いわゆる小規模導管供給の場合(集合住宅への供給も含む)、業務用への供給の場合(相当規模のもの)、バルク供給による場合等、物理的に撤去が困難である場合を言う。
同号中「その他正当な事由」に該当するケースとしては、契約解除の際に清算されるべき清算額(未徴収のガス代、設備貸与料金等を含めた清算額)の支払いと供給設備の撤去は同時に履行するとの契約条項がある場合、消費者が料金(未徴収のガス代、設備貸与料金等)の支払いを不当に遅らせている場合等が該当する。

2 顧客切替に関する基本ルール

1 基本ルールの考え方
(1)消費者は、LPガス販売契約を締結するにあたって、どのLPガス販売事業者を選ぶことも自由です。しかし、契約締結後の消費者および現販売事業者は、LPガス販売契約の当事者として、互いに信義に則り誠実に権利を行使し、義務を履行することになります。
(2)液石法・行政指導および民法等関連法令の精神を具体化しようとしました。
(3)消費者の選択自由と販売事業者間の自由競争を阻害することなく、保安の確保と取引の適正化を確実なものにします。

★基本ルール
1.解約は消費者本人の意思で
解約は契約当事者本人が行うこと
代理人委任は書面が基本
2.事前連絡を守ろう
事前連絡の原則
3.原則一週間ルールを守ろう
「原則一週間ルール」を遵守
4.消費設備(配管)の清算
消費設備(配管)の残存価格清算の原則
5.供給設備無断撤去の禁止
撤去は現販売事業者自ら行うのが原則
6.供給設備の撤去と清算
供給設備の撤去費清算または買い取りの確認
撤去と清算は同時に(同時履行の原則)
7.保安引継ぎは確実に
引継ぎの際にも保安確保が原則

2 原則の遵守
消費者自らの自由な意思による販売事業者の変更にあたっては、消費者保護の視点のもとで「保安確保」と「取引の適正化」を原則とします。また、切替にあたっては、現販売事業者と消費者との間に取り交わされた契約書の内容が遵守されることを前提とし、下記の原則を定めました。

1. 解約は消費者本人の意思で
(1)解約は契約当事者本人が行うこと
切替は、消費者の自由な意思に基づく解約通知を受けて行うことを原則と します。消費者の自主的な判断を誤らせる欺瞞的な勧誘を行ってはいけません。
(2)代理人委任は書面が基本
新販売事業者が、代理人として委任され切替に関わる手続きをする場合は、切替が消費者自らの自主的な意思に基づくものであることを証明する委任状に則って行うことを原則とします。そして、現販売事業者は消費者本人が自署捺印した委任状であることを確認しましょう。

2. 事前連絡を守ろう
■事前連絡の原則
LPガス販売契約を解約するには、はじめに消費者から事前連絡を受けることが必要です。解約予告期間が契約上明記されている場合は、現販売事業者との取引の中止と切替は、その期間を尊重しましょう。
ただし、新通達で「原則一週間ルール」が示されましたので、今後は解約予告の期間を新通達に沿うものとし、現販売事業者は一週間以内の引継ぎを守りましょう。

3. 原則一週間ルールを守ろう
■「原則一週間ルール」を遵守
現販売事業者は、消費者から契約解除の申し出があった場合は、正当な理由がない限り、原則一週間以内に供給設備を撤去しなければなりません。

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3. どの時点から新販売事業者の供給が可能となるのか

切替にあたり最も問題となることは、どの時点で現販売事業者と消費者とのLPガス販売契約が終わり、どの時点から新販売事業者の供給が可能となるのかという点でしょう。ここでは、現販売事業者との契約の解除が効力を生じる時期、遅延滞なき設備の撤去時期、新販売事業者によるガス供給を開始できる時期についてまとめてみました。

(1)契約の終了(解約の効力の発生)

1. 新販売業者の供給までのプロセス
 切替にあたり最も問題となることは、どの時点で現販売事業者と消費者とのLPガス販売契約が終わり、どの時点から新販売事業者の供給が可能となるのかという点でしょう。ここでは、現販売事業者との契約の解除が効力を生じる時期、遅延滞なき設備の撤去時期、新販売事業者によるガス供給を開始できる時期についてまとめてみました。

1 契約の終了(解約の効力の発生)
1. 新販売事業者の供給までのプロセス

切替による新販売事業者の供給開始までのプロセスを時系列を追ってまとめると、次のようになります。
A. 消費者による解約の意思表示
消費者が解約の意思を現販売事業者に書面等で発信した時点です。

B. 現販売事業者への解約通知の到達
契約で解約予告期間が設定されている場合は、解約の通知が到達した日の翌日を起算日
として解約予告期間がはじまります。

C. 解約予告期間の終了
この時点で、解約の効力が生じます。

D. 現販売事業者による供給設備の撤去
現販売事業者は、Bの起算日から遅滞なく供給設備を撤去しなければいけません。
新通達では、BからDまでは「原則として一週間以内」とされました。

E. 新販売事業者による供給開始

2. 解約の意思の表示時期と解約の効力発生時期は異なる

(1)契約の成立は発信主義、契約の解除は到達主義
民法の原則では、契約の成立は発信主義、契約の解除は到達主義となっています。
つまりLPガス販売契約の解約の効力が発生するための第一条件は、消費者からの書面等による解約意思の連絡(基本ルール「2.事前連絡を守ろう」に詳細)が現販売事業者へ届くことです。
(2)解約の効力の発生時期
消費者から現販売事業者のもとに解約の意思表示が到達した後、次の期間が経過するまでの間は、消費者とのLPガス販売契約は有効に存続します。
イ. 約定された解約予告期間
ロ. イ.の約定がない場合には、相当の期間(最終的にロ.の期間日数については、裁判所が判断します。)
したがって、従前のLPガス販売契約の解約の効力は、意思表示の到達後、上記イ.ロ.の期間が経過したときにはじめて生じます。
(3)原則一週間ルール
新通達は、横浜地方裁判所の合議決定(15ページの裁判例)を踏まえて、正当な理由がある場合を除いて、消費者の解約通知から現販売事業者による供給設備の撤去まで、「原則一週間以内」との見解を示しました。そこで、現販売事業者は、解約の意志表示が到達した日の翌日を起算日として、原則7日以内に供給設備の撤去を行いましょう。

(2)現販売事業者による供給設備の撤去

1. 供給設備は現販売事業者が遅滞なく撤去する
(1)供給設備の無断撤去は違法・現販売事業者が遅滞なく撤去
解約の申し出後、遅滞なく(原則一週間以内)供給設備は現販売事業者が撤去します。この期間内に、新販売事業者が、現販売事業者に無断で現販売業者の供給設備の撤去を行うと、液石法違反となります。
一方、一週間が経過した後であっても、消費者あるいは新販売事業者が、現販売事業者に無断で現販売事業者所有の供給設備を撤去することは、民法の一般原則が禁じる自力救済にあたり、違法行為となる恐れがあります(基本ルール「5.供給設備無断撤去の禁止」に詳細)。
また、現販売事業者がいたずらに撤去を引き延ばすことも液石法違反となります。現販売事業者の対応が、消費者の解約の意向を無視するものであれば、これまでの判例からみても現販売事業者は保護されていません。
(2)撤去までのガス代金の支払い義務
解約の効力が生じた時点で、現販売事業者と消費者とのLPガス販売契約は解消されてなくなります。しかし、契約解消後、供給設備が撤去されるまでの間は、現販売事業者の供給設備を利用してガスが供給され、消費者はそのガスを使用します。そして、その消費分については、契約終了時の料金によって清算することになります。

資料3

横浜地方裁判所・合議・平成11年7月22日決定の要旨

横浜地裁は、①旧販売事業者におよそ自社の設備の取り外しの期間を与えないというのは、秩序のない競争をもたらすものであり、法治国家の下では到底採用することができないところ、②旧販売事業者が供給設備の取り外し等の準備と料金の精算等のための相当期間は、一週間とするのが適当であり、③この期間が長期になると契約切替に対する巻き返しを長期にわたり行うことになり、弊害が生じるおそれがあるとし、④約款所定の一か月もいささか長すぎるのであり、相当期間としては、約款のない場合と同様に一週間とし、その限度で約款の効力を変更して解釈すべきものと解する、との判断を示している。
また、この期間を経過しても債権者(旧販売業者)が本件LPガス供給設備の取外しをしないときには、債務者(新販売業者)は、切替契約の履行をするのが妨害されているとして、その排除を求める裁判上の請求をすることが可能となると解される、との判断を示している。

(3)新販売事業者による供給開始

1. 切替供給でも保安点検・調査は確実に
(1)解約手続きがすべて完了した後に、新たな供給が開始
現販売事業者の供給設備の撤去が完了した後、新販売事業者による切替供給が可能となります。
なお、現販売事業者の供給設備が撤去されるまでには、消費設備(配管)の買取り清算など解約に伴う一切の手続きが完了されることが前提となります(基本ルール「4.消費設備(配管)の清算」「6.供給設備の撤去と清算」に詳細)。
(2)現販売事業者からの保安引継ぎを受ける
新販売事業者は供給に先立ち、現販売事業者が保有する消費者の保安関係帳簿の引き継ぎを受けるようにしましょう(基本ルール「7.保安引継ぎは確実に」に詳細)。
(3)供給開始時の点検・調査を行う
切替供給においても、液石法に定められた供給開始時の点検・調査は実施しなければなりません。供給開始時の点検・調査は認定保安機関が法令に基づき実施しますので、これを怠り、消費者の保安関係帳簿が不備なままで供給しますと液石法に違反する違法行為となります。

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4. 顧客切替に関する基本ルールの内容および根拠

「基本ルール」の根拠となる法令および行政指導等と、基本ルールに基づく具体的な販売事業者の遵守事項および消費者に理解を求める事項は以下のとおりです。

(1)解約は消費者本人の意思で
[原則(1)]解約は契約当事者本人が行うこと

切替は、消費者の自由な意思に基づく解約通知を受けて行うことを原則とします。消費者の自主的な判断を誤らせる欺瞞的な勧誘を行ってはいけません。

ルールの内容
消費者は、自由な意思でLPガス販売事業者を選択することができます。自由な意思とは、消費者が不公正な勧誘などの影響を受けることなく、自己責任により決定するものであります。したがって契約の解除および販売事業者の変更についても、消費者は不公正な干渉を受けることなく自主的に判断し、その意思を現販売事業者に対して正確に伝えなければなりません。

守らなければいけないこと
(1)消費者が現販売事業者に明確な意思表示をしないうちに、新販売事業者が現販売事業者の供給設備等を撤去するなど実力で契約解除状態を作り出し、消費者との取引を開始することはできません。
(2)契約の解除の申し入れが新販売事業者あるいは消費者の代理人からなされた場合、現販売事業者が消費者本人の意思確認を行う以前に、新販売事業者が現販売事業者の供給設備等を撤去するなど実力で契約解除状態を作り出し、消費者との取引を開始することはできません。
(3)消費者の正しい判断を誤らせる方法で切替を勧めてはいけません。

費者に理解を求める事項
(1)現販売事業者に対して明確な解除の意思表示をしないまま、現販売事業者の供給設備等を無断撤去するなど実力で契約解除状態を作り出し、新販売事業者との取引を開始することはできません。
(2)契約の解除が新販売事業者あるいは消費者の代理人から示された場合、現販売事業者が消費者の意思確認を行う以前に、供給設備等を無断撤去するなど実力で契約解除状態を作り出し、新販売事業者との取引を開始することはできません。

【原則(2)】代理人委任は書面が基本
新販売事業者が、代理人として委任され切替に関わる手続きをする場合は、切替が消費者自らの自主的な意思に基づくものであることを証明する委任状に則って行うことを原則とします。そして、現販売事業者は消費者本人が自署捺印した委任状であることを確認しましょう。

ルールの内容
本来、消費者が自ら意思表示すべき契約解除について他者に委任する場合、その委任が正当なものであることを現販売事業者に対して証明する必要があります。証明するものには、委任状等の書面が考えられ、消費者の自筆の署名、捺印がある委任状であれば、消費者の意思確認という点でベストな方法です。その意味で委任状に消費者の印鑑証明が添付されることは、確実な証明手段のひとつと言えます。

守らなければいけないこと
(1)現販売事業者は解約の通知を受取った後、速やかに消費者の意思確認を行いましょう。意図的に(悪意で)消費者の意思確認を行わないこともルール違反です。
(2)新販売事業者あるいはその他の者が消費者の代理人として現販売事業者との交渉にあたるに際し、現販売事業者から委任状の提示など消費者から委任されている証明を求められたときはそれに応じましょう。また、現販売事業者による消費者本人への解約の意思についての確認行為を妨害してはいけません。
(3)消費者に対して、交渉権限を明示しない、いわゆる「白紙委任」を求めたり、委任状に記載された委任事項以外について代理行為を行ってはいけません。

消費者に理解を求める事項
新販売事業者あるいはその他の者に対して、LPガス供給業者の変更に関する手続きを委任する場合には、その代理人となるべき者から委任状の作成を求められたときにはこれに応じていただきます。

(2)事前連絡を守ろう

【原則】事前連絡の原則
LPガス販売契約を解約するには、はじめに消費者から事前連絡を受けることが必要です。解約予告期間が契約上明記されている場合は、現販売事業者との取引の中止と切替は、その期間を尊重しましょう。
ただし、新通達で「原則一週間ルール」が示されましたので、今後は解約予告の期間を新通達に沿うものとし、現販売事業者は一週間以内の引継ぎを守りましょう。

ルールの内容
日常用品の継続的供給契約の解除について、一定の解約予告期間を設けることは、社会通念上も妥当な約定と言えます。特にLPガスの取引の場合、設備の撤去および費用の清算、保安面等での引継ぎを考慮し、一定の解約予告期間が必要です。なお、約定された解約予告期間の満了までは現販売事業者との取引が継続されます。したがって、現販売事業者が交付した書面に解約予告期間が明記されている場合には、消費者には、契約を解除するにあたって解約予告期間の約定を遵守していただきます。
なお、前掲の横浜地裁の合議決定では、一ヵ月の解約予告期間は長すぎるので、これを一週間の限度で変更解釈すると判示されています。また、新通達でも「原則一週間ルール」が示されましたので、公序良俗にもとづいた、正当な契約がある場合を除き、今後は解約予告期間を一週間程度に約定することが望まれます。


守らなければいけないこと
(1)一方の都合によりLPガス販売契約を解約する場合には、解約予告期間についての約定がない場合でも、切替準備等に要する期間をおいた事前連絡を行うことが必要です。ただし、新通達では相当の期間について「原則一週間」との見解が示されましたので、一週間以内の撤去を守らなければなりません。
(2)消費者から現販売事業者への事前連絡なく、新販売事業者が現販売事業者の供給設備等を無断撤去するなど実力で契約解除状態を作り出し、取引を開始することはできません。
(3)契約の解除が新販売事業者あるいは消費者の代理人から示された場合、現販売事業者が消費者本人の意思確認を行う以前に、新販売事業者が供給設備等を無断撤去するなど実力で契約解除状態を作り出し、取引を開始してはいけません。


消費者に理解を求める事項
(1)現販売事業者による切替作業は、準備のための期間を要するので、解約の申し出は事前に行っていただきます。
(2)解約の申し出から撤去までは、「原則一週間以内」に実施します。
(3)供給設備の撤去は、現販売事業者が遅滞なく行うものです。新規則では新販売事業者等による「供給設備の無断撤去の禁止」が規定され、無断撤去行為は液石法の処罰の対象になります。

(3)原則一週間ルールを守ろう

【原則】「原則一週間ルール」を遵守
現販売事業者は、消費者から契約解除の申し出があった場合は、正当な理由がない限り、原則一週間以内に供給設備を撤去しなければなりません。

ルールの内容
省令では、「消費者の要求があった場合には液化石油ガス販売事業者はその所有する供給設備を遅滞なく撤去すること」(液石法施行規則第16条第16号)とありますが、正当なまたは合理的な理由がある場合を除き原則一週間以内に撤去することが妥当と考えられる旨が通達に明記されました。つまり、現販売事業者は、消費者から契約解除の申し出があった場合は、原則一週間以内に供給設備を撤去しなければならない、ということです。

守らなければいけないこと
(1)消費者から解約の申し出を受けた現販売事業者は、原則一週間以内に供給設備等の撤去を行わなければなりません(規則と新通達)。
(2)新販売事業者が、現販売事業者による一週間以内の供給設備等の撤去を待たず、現販売事業者の供給設備等を撤去することはできません。

消費者に理解を求める事項
(1)消費者は、約定の解約予告期間を置いて契約を解除することができ、契約解除の効力は約定の予告期間満了時に生じます。
(2)約定の解約予告期間中は、消費者と現販売事業者とのLPガス販売契約は継続しており、現販売事業者の供給設備等を自ら撤去し、あるいは第三者に指示して撤去することは業務妨害であり、行ってはいけません。

(4)消費設備(配管)の清算

【原則】消費設備(配管)の残存価格清算の原則
切替にあたって、消費者が使用する消費設備(配管)の所有権が現販売事業者にある場合は、建物所有者がその残存価格で買取ることとします。

ルールの内容
切替にあたって、消費設備(配管)の所有権が現販売事業者にある場合には、適正な対価で建物所有者にその所有権を移転しなければなりません。消費設備(配管)の所有権の存在、所有権の移転にあたっての残存価格の計算方法は、法定償却あるいはその簡略法を用いた計算式で、交付書面に記載された内容とします。
交付書面には通達により「清算額として、一般消費者等が支払うべき額が明確に分かるように記載せよ(契約解除がいつであれば、清算額がいくらということが分かるように)」とされています。
消費設備(配管)の所有権の存在、所有権の移転にあたっての残存価格の計算方法等が交付書面に記載されないで、しかも所有権が現販売事業者にあることを示す明確な証拠資料がない場合は、その所有権は建物所有者にあるものと解されます。LPガス販売契約を結ぶ際に、消費者に消費設備(配管)の所有権が業者にあるのか、建物所有者にあるのか明確に説明し、納得していただくことが肝要です。


守らなければいけないこと
(1)現販売事業者が正当な理由なく、交付書面に記載された計算方法での残存価格以上の価格で建物所有者に消費設備(配管)の買い取りを要求してはいけません。
(2)建物所有者に対し、現販売事業者所有の消費設備(配管)の買い取り清算の必要がないという印象を与える不当な方法で切替を勧めてはいけません。

消費者に理解を求める事項
(1)建物所有者は正当な理由なく、契約に定められた現販売事業者所有の消費設備(配管)の買い取り清算を拒絶することはできません。

資料4

(1)建物と消費設備(配管)の附合を認める
東京地方裁判所・平成12年7月13日判決

この事案は、旧業者が新業者に対し、主位的に新業者が顧客(消費者)の債務引受をしたとして、ガス配管設備の売買代金の支払いを、予備的に民法248条、704条に基づく償金の支払い等を求めたものです。
これに対して裁判所は、
(イ)フレキ管を取り外すためには一部にハンマー等の工具を用いたはつり作業が必要であること、屋内配管の大部分を占める床下においては、設置場所が極めて狭隘であったりして、脱着作業すること自体が困難であること、したがって、フレキ管部分は建物を損傷することなくこれを取り外すことは極めて困難であるので、建物と消費設備(配管)は機能的及び構造的に一体になっている。かつ、これについては民法242条但書の適用もないと言うべきである。したがって、本件消費設備(配管)は売買契約の目的物とすることはできず、本件各停止条件付売買契約は原始的不能により無効である。
(ロ)不動産の附合(民法242条)にあっては、所有権を取得するという利益を受けるのは、附合が生じた時点における不動産の所有者(注・建築会社)であるので、顧客(消費者)に対し、償金を請求することはできない、と判示し、旧業者の請求を棄却しました。


(2)屋内配管設備の買取請求を認める
東京高等裁判所・平成13年7月11日判決

LPガス販売事業者と一般消費者とのLPガス販売契約には、契約自由の原則が基本的に妥当する。液石法14条の法定事項の記載書面(通知書)の交付は、契約条件を一般消費者に明らかにし、契約内容につき疑義をなくすことを目的としている。
本件通知書には、「当社(店)の所有するLPガス供給設備、消費設備は表記1.に記載したとおりです。」「お客様のご都合で取引を中止する場合は・・・消費設備についは耐用年数を考慮した価格にてお買い上げいただきます。」と記載されている。また、通知書の体裁は、他から明確に識別できる標題のもとに細目が記載されているのであり、その記載内容も、特段の説明を受けなければ分からないようなものではない。被控訴人(注・建物所有者兼ガス消費者)らは、通知書を受領した旨の署名押印若しくは記名をして、控訴人(注・既存業者)らからその交付を受け、その後、その記載内容について特段の異議も述べずに、控訴人らからLPガスの供給を受けてきた以上、被控訴人らは、通知書の内容を了知したものと推認され、消費設備が控訴人らの所有であることを承認した上、その記載内容に黙示的同意したものと認める。通知書は、LPガス販売契約書そのものではなく、また、販売契約締結後、契約条件を一般的に明らかにし、契約内容につき可及的に疑義をなくすことを目的として、交付が義務付けられたものであるとしても、LPガス販売契約締結の際に明示的に合意されなかった細目の事項を補完する機能を有する。
被控訴人らの、消費設備(配管)は無償配管であり、控訴人らから贈与された旨の主張を認めるに足りる証拠はない。かえって、通知書には、消費設備(配管)の所有権は、控訴人らに留保される旨の記載があり、控訴人らは、消費設備設置当時、その所有権を留保したのであって、これを被控訴人らに贈与したものではない(なお、消費設備が被控訴人らの建物に附合したものと認めるに足りる証拠はない。)。
被控訴人らの解約通知により、控訴人らとの間で消費設備(配管)の売買契約が成立し、被控訴人らには、耐用年数を15年として減価償却した残存価格と同額の消費設備(配管)買取代金の支払義務がある。

(5)供給設備無断撤去の禁止

【原則】撤去は現販売事業者自ら行うのが原則
供給設備の撤去は、所有者である現販売事業者が自ら行うことを原則とします。消費者も新販売事業者も、解約の申し出があってから原則として一週間が経過するまでは、現販売事業者の承諾を得ないでその供給設備を撤去することはできません。
新規則は、罰則をもって「無断撤去の禁止」を定めました。

ルールの内容
 新規則により、現販売事業者が所有する供給設備の撤去等は、現販売事業者が自ら行うことの原則が、法文上も明確にされました。消費者や新販売事業者が、相当期間(原則一週間)が経過しないうちに、現販売事業者に無断で撤去することは新規則に違反します。

守らなければいけないこと
(1)新販売事業者は、現販売事業者の所有する供給設備を無断撤去したり、無断改造してはなりません。
(2)消費者に対して、現販売事業者の所有する供給設備の撤去を消費者または新販売事業者の判断だけで行えるかの印象を与えるなど不当な方法で切替を勧めてはなりません。
(3)現販売事業者は、LPガス販売契約の解約の申し入れがあった後、原則一週間以内に、遅滞なく供給設備を撤去する義務を負います。正当な理由がないのに「遅滞なく撤去しない行為」(不作為による不撤去行為)は、液石法施行規則16条16号違反となります。したがって、切替については、新旧の販売事業者に対して、供給設備の無断撤去行為も不撤去行為もない、適法かつ適切な行動が求められます。

消費者に理解を求める事項
(1)消費者は、現販売事業者の所有する供給設備を自らあるいは新販売事業者を使って無断撤去または無断改造してはいけません。

(6)供給設備の撤去と清算

[原則(1)]供給設備の撤去費清算または買い取りの確認
切替にあたって、現販売事業者は、約定の撤去費用の請求または撤去が困難な供給設備の買い取り請求を行うことができます。

ルールの内容
契約の解除に際しては、現販売事業者は自らが所有する供給設備を自らの手で撤去することが原則となります。また消費者からの解除の場合、供給設備の撤去は消費者の求めに応じて行われるわけですから、現販売事業者はその撤去費用を約定に基づき適正に算出して請求することができます。
また撤去が困難な場合などには、現販売事業者は建物所有者に供給設備の買い取りを約定に基づいて請求することができます。消費者・建物所有者・現販売事業者が協議し、その供給設備を新販売事業者に引き続き使用させ供給を行わせたほうが有利と判断した場合なども、同様です。
いずれにせよ供給設備の所有権が現販売事業者にある場合には、その取り扱いについて新販売事業者は積極的な関与はできません。

守らなければいけないこと
(1)現販売事業者は正当な理由なく、供給設備の撤去あるいは売り渡しを拒否できません。
(2)現販売事業者は、法外な供給設備の撤去費を請求してはいけません。
(3)新販売事業者は、現販売事業者の承諾なく現販売事業者の所有する供給設備を使用することはできません。
(4)新販売事業者は、現販売事業者の所有する供給設備の扱いについて、現販売事業者と消費者との間で合意されていることを確認する以前に、その設備を無断で撤去または使用してはいけません。
(5)消費者に対し、現販売事業者所有の供給設備の撤去要請または買い取り清算の必要がないという印象を与える不当な方法で切替を勧めてはいけません。

消費者に理解を求める事項
(1)消費者は、正当な理由がないのに、約定した現販売事業者所有の供給設備の撤去費用の支払いあるいは撤去困難な供給設備の買い取り清算を拒絶できません。

資料5

液化石油ガス販売事業における無断撤去の禁止のルール化について

平成13年7月
資源エネルギー庁石油流通課

(抜粋)
3.改正点についての考え方
販売事業者の変更に際しては、新販売事業者による過熱した無秩序な切替はもちろんであるが、旧販売事業者による消費者の意向を無視した解約の引き延ばしや設備撤去に応じない行為も厳に慎むべきであり、新旧販売事業者双方が消費者の意向及び適正な取引の観点から、ルールを遵守することが重要である。
(1)無断撤去の禁止
①以下の理由から無断撤去は取引上適正ではなく、禁止すべきと考えられる。
・消費者が旧事業者から新事業者に切り替えようとする場合には本来は旧事業者が自己の所有物である既存供給設備の撤去を行うべきである。
・一方で、旧事業者が、正当な理由もなく設備の撤去を拒むことは、液石法施行規則16条16号に規定する「販売事業者はその所有する供給設備を遅滞なく撤去すること」に抵触するため、許されない。
・同号に規定する「遅滞なく」の意味は、事情の許す限り最も早くとのことであり、旧事業者の業務状況に鑑み、1週間程度以内の合理的な期間内で撤去を行うべきとの趣旨である(後述)。
・無断撤去(一般消費者等から旧事業者に対して液化石油ガス販売契約の解除の申し出があってから相当期間が経過する前に、旧事業者の所有する供給設備を撤去すること)は、旧事業者に猶予されるべきこの合理的な期間を一方的に無視するものであるため、取引上不適正であると考えられる。
・また、新事業者が、一般消費者と旧事業者の間の契約内容を確認せず、一般消費者からの委任を受けて、旧事業者に解約を通告し、無断撤去を行っている場合がある。このような場合一般消費者と旧事業者との間の契約条項(例えば、精算と供給設備の撤去の同時履行)に違反する可能性があり、結果的に、契約の当事者である一般消費者が損害賠償のリスクにさらされることもありうるという問題がある。
※なお、旧事業者の同意を得た上で、新事業者が撤去を行う場合には、例え即日撤去であっても、無断撤去に該当しないのは当然である。
(2)原則一週間ルール
①現行規定では、消費者の要求があった場合に、遅滞なく撤去しなければならないとの規定があるが、撤去のための準備期間が必要なこと、料金精算のための期間が必要とされること等の理由に鑑み、相当の期間が必要であるが、これまでの裁判所の判断(横浜地裁平成11年7月)も考慮すると、原則一週間以内(一週間までは撤去しなくても良いという趣旨ではない)で撤去することが妥当と考えられる。ただし、正当な理由がある場合(規則16条16項但書)はその限りではない(通達改正)。
②遅滞なく撤去されなければ、新販売事業者は、裁判所に撤去の執行に関する請求を行うことが可能であるとする判例がある。この場合、新販売事業者が設備を撤去し旧販売事業者に届けるなど自ら撤去することが可能かどうかについては、法的には、民法の一般原則である自力救済の禁止の原則との関係に留意しなければならない。
また、遅滞なく撤去されない場合において、消費者名により裁判所に申立が行われ、裁判所が旧販売事業者に3日以内に撤去を命令した仮処分決定が行われている例がある(申立から約2週間)。
一方、遅滞なく撤去しない旧販売事業者の供給設備を新販売事業者自らが撤去したからといって、旧販売事業者の対応が消費者の解約の意向を無視するものであれば、これまでの判例からみても旧販売事業者は保護されていない。
(3)解約猶予期間の規定の削除
契約における解約猶予期間との関係では、現行通達において「販売契約の解約猶予期間等を定める契約条項がある場合等には、最低限、その日までは液石法上の義務は生じない。ただし、解約猶予期間については必要最小限の期間とすべきであり、一か月を超える期間を設定することは望ましくない」との規定がある。
しかしながら、上記横浜地裁の判断においては、消費者から解約の意思表示を受けたLPガス事業者が、当該意思表示後も供給設備を消費者宅等に残置しておくことが許される相当期間としては、一週間とするのが適当とされている。この点に鑑みれば、現行通達の上記規定を残しておくことは「一か月の解約猶予期間を定めていれば、いかなる場合でも、一か月間は供給設備の撤去義務が生じることはない」等の誤解を販売事業者に抱かせることとなるため、削除することが適当である。
なお、本規定の削除は、契約における現行の解約猶予期間に関する規定自体の効力に影響を与えるというものではない。
また販売事業者は横浜地裁決定及び東京地裁判決の趣旨を十分吟味考慮して、必要に応じて、契約条項を見直すべきである。
(4)その他
今回の省令改正は、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)第16条第2項に基づく液石法施行規則第16条販売の方法の基準の改正であり、液石法第14条第1項各号の規定による記載事項を変更するものではないため、液石法第14条第1項の規定により書面を再交付する必要はない。

(7)保安引継ぎは確実に

【原則】引継ぎの際にも保安確保が原則
切替にあたっては、新販売事業者は、供給に先立ち、現販売事業者が保有する保安関係帳簿類の引継ぎを受けることとします。


ルールの内容
LPガス販売事業者にとって、ガスの供給開始時点検にあたって配管図面等必要な保安関係帳簿類を作成しておくことが、液石法上にも定められた義務です。これはガスの供給事業者の切替時においても同様であり、現販売事業者が保有する完成検査時の保安関係帳簿類は新販売事業者に引き継がれなければなりません。さらに、従来の供給過程で把握された保安情報の引継ぎも、事後の保安管理上必須の事項となるので、この引継ぎも確実に行われなければなりません。


守らなければいけないこと
1)新販売事業者は、現販売事業者の保有する保安関係帳簿類の引継ぎを受けないまま供給開始行為を行うことはできません。
(2)現販売事業者は正当な理由なく、新販売事業者への保安関係帳簿類の引継ぎを拒否できません
(3)現販売事業者は正当な理由なく、新販売事業者へ法外な引継ぎ費用を請求してはなりません。
(4)新販売事業者は消費者に対し、現販売事業者が保有する保安関係帳簿類の引継ぎ行為が不要であるかの印象を与えるなど不当な方法で切替を勧めてはなりません。


消費者に理解を求める事項
(1)消費者は新販売事業者に対して、現販売事業者の保有する保安関係帳簿類の引継ぎを受けさせてから供給開始行為を行なわせなければなりません。

根拠とした資料
●通達

「液化石油ガス販売事業者に係る合併又は営業譲渡の際における保安の確保について(平成4年8月月12日。4保第56号)」
最近、液化石油ガス販売事業者に係る合併又は営業譲渡が顕著になってきているところであるが、こうした中で、合併又は営業譲渡の際に、承継事業者による保安業務等の引き継ぎが十分に行われていない事例が見受けられた。 今後かかる場合に、承継事業者において、営業譲渡の際には、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第36条に基づく同法施行規則第23条及び第37条の規定による供給設備及び消費設備の調査点検を確実に実施するとともに、合併の際にも、前記営業譲渡時に準じた保安点検等を実施するなど、綿密な保安業務の引き継ぎが行われ、より一層の消費者保安の確保が図られるよう、貴協会会員に対して指導されたい。

●規則
「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則」第8章(帳簿) 第131条
法81条第1項の規定により液化石油ガス販売事業者が帳簿に記載すべき事項は、販売所ごとに次の上欄に掲げる場合の区分に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げるものとする。(以下略)

資料6


1.省令改正・新規則
経済産業省令第百八十二号

液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和四十二年法律第百四十九号)を実施するため、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令を次のように定める。
平成十三年七月十一日 経済産業大臣 名

液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令

液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則(平成九年通商産業省令第十一号)の一部を次のように改正する。

第十六条第十五号の次に次の一号を加える。
十五の二 新たに一般消費者等に対し液化石油ガスを供給する場合において、当該一般消費者等に液化石油ガスを供給する他の液化石油ガス販売事業者の所有する供給設備が既に設置されているときは、一般消費者等から当該液化石油ガス販売事業者に対して液化石油ガス販売契約の解除の申し出があってから相当期間が経過するまでは、当該供給設備を撤去しないこと。ただし、当該供給設備を撤去することについて当該液化石油ガス販売事業者の同意を得ているときは、この限りでない。

附則
この省令は、平成十三年八月一日から施行する。


2.新通達
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則(平成9年通商産業省令第11号)の運用及び解釈の基準について

液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の全部を改正する省令の施行に当たって、別添のとおり運用及び解釈の基準について定める。
(別添)
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則(平成9年通商産業省令第11号)の運用及び解釈について

第13条(書面の記載事項)関係
1.第5号中「価格の算定方法」とは、どれだけの量の液化石油ガスを使用した場合に、どれだけの価格を請求されるか、その価格の計算方法(例えば「料金=基本料金+従量料金×使用した量」等)のことである。「算定の基礎となる項目」とは、一定使用量(1m3等)毎に請求する額、使用量の如何に係わらず請求する額等、計算の基礎となる金額に相応する項目のこと(例えば、基本料金:○○円、従量料金:1m3当り○○円等)。
また、「算定の基礎となる項目についての内容の説明」とは、基本料金・従量料金(場合により、その他設備の利用料等)等にはどのような費用が含まれるか(例えば、基本料金は、ボンベ・メーター等の固定費を回収するものである等)についての簡明な記載のこと。コスト計算等詳細な記載を要求するものではない。

2.第6号中「所有関係」とは、消費設備・供給設備の所有権を(各々の設備毎に)誰が(販売事業者か一般消費者等か)有しているかについての記載のこと。
ここでの記載は、販売事業者と一般消費者等の間で、設備の所有について認識に齟齬を来さないよう、注意的に記載するものである。したがって、販売事業者が所有していない設備について、書面上、販売事業者が所有している旨記載しても、真実の記載にはならず、その設備の所有権が販売事業者に発生する訳でないことは当然である。
なお、賃貸住宅の場合等、設備を消費者が所有するのか、家主が所有するのか不明確な場合等も考えられるが、記載については「販売事業者」「お客様」等、所有権が販売事業者側・消費者側いずれにあるか分かる程度の内容で差し支えない。
また、所有関係を記載する際には、消費設備に係る配管等家屋に敷設されている設備については、設備設置費用を販売事業者が負担したという理由や、法第14条の書面を交付する際に、設備を販売事業者の所有として貸借契約を締結したという理由をもって、所有権が販売事業者に帰属する訳ではないことに留意することが必要である。

3.第8号中「当該一般消費者等が支払うべき費用の額及び徴収方法」とは、一般消費者等が支払うべき具体的な利用料について月毎或いは年毎に一定額を支払うのか等を含め、契約解除までに、いつ、どれだけの額を支払う必要があるのかを記載すること。

4.第9号の規定は、規則第16条第17号に関連する規定である。同号においては、「一般消費者等から液化石油ガス販売契約の解除の申し出があった場合において、消費設備に係る配管であって販売事業者が所有するものについては、‥‥適正な対価で一般消費者等に所有権を移転すること」とされているが、その際の移転対価を書面に記載する旨定めたものである。
第9号中「清算額の計算方法」とは、清算額として、一般消費者等が支払うべき額が明確に分かるように記載せよ(契約解除がいつであれば、清算額が幾らということが分かるように)との趣旨である。
なお、「清算額の計算方法」には、例えば、税法上の減価償却の方法と同様に、残存価格と清算額が一致するように行う方法、その他正当と認められる複数の方法が考えられるが、当該配管の設置費用、設置後の経過年数等を基に、説明可能な適正な方法であれば良く、計算方法の具体的内容について規制を行うものではない。

第16条(販売の方法の基準)関係
1.第11号の規定は、液化石油ガス販売事業者が消費設備を所有する場合について定めた規定である。一般消費者等に確認することとは、法第14条の書面に記載された消費設備の所有関係を一般消費者等に説明の上、当該書面に一般消費者等の認印を貰う等、客観的に認識できる方法により、一般消費者等に確認を行うことが必要である。
なお、この規定は、消費設備の所有権が販売事業者にある場合に限っての規定であり、その場合に、販売事業者と一般消費者等の間で、消費設備の所有について認識に齟齬を来さないよう、注意的に確認することを液石法上の義務として定めているものである。したがって、本来、販売事業者が所有していない消費設備について、販売事業者が所有している旨確認しても、その設備の所有権が販売事業者に発生する訳でないことは当然である。

2.第15号の2中「解除の申し出」とは、一般消費者等(契約の当事者)から、契約の当事者である液化石油ガス販売事業者に対してなされる、契約を解除する旨の明確な伝達のこと。
この規定は、本来、供給設備の撤去は、供給設備を所有する液化石油ガス販売事業者が行うべきものであり、撤去のための準備期間が必要であることから、解除の申し出があってから相当期間を経過しないうちに、他の液化石油ガス販売事業者が供給設備を撤去することを禁止するものである。
なお「相当期間」については、供給設備を所有する液化石油ガス販売事業者の業務状況や一般消費者等との間の液化石油ガス料金等の精算手続のために必要な期間等を総合的に勘案して判断するものとし、原則として一週間を基準とする。

3.第16号中「遅滞なく」とは、一般消費者等(契約の当事者)から要求があった場合には、その後、事情の許す限り最も早くとのことであり、当該販売事業者の業務状況に鑑み、合理的な期間内で撤去を行うべきとの趣旨である。具体的には、当該販売事業者は、原則として一週間以内にその所有する供給設備を撤去すべきである。
なお、切替工事の日程等新旧販売事業者間で調整が必要な場合には、すみやかに調整を行い解決を図るべきである。
また、遅滞なく撤去することとの規定であり、○月○日○時に撤去せよとの請求権を一般消費者等に付与するものではなく、合理的な期間内での撤去を定めているものである。同号中「撤去すること」とは、当該販売事業者に撤去義務を課しているだけであって当該販売事業者に撤去する権利を付与するものではない。
ただし書きに定める事項として「撤去が著しく困難である場合」とは、いわゆる小規模導管供給の場合(集合住宅への供給も含む)、業務用への供給の場合(相当規模のもの)、バルク供給による場合等、物理的に撤去が困難である場合を言う。
同号中「その他正当な事由」に該当するケースとしては、契約解除の際に清算されるべき清算額(未徴収のガス代、設備貸与料金等を含めた清算額)の支払いと供給設備の撤去は同時に履行するとの契約条項がある場合、消費者が料金(未徴収のガス代、設備貸与料金等)の支払いを不当に遅らせている場合等が該当する。

4.17号中「適正な対価」とは、規則13条9号に定める清算額の計算方法によることであり、その計算方法は、各販売事業者が決めるべきものであるが、当該配管の設置費用、設置後の経過年数等を基に、説明可能な適正な方法によること。
同号中「当該一般消費者等が別段の意思表示をする場合その他やむを得ない事情がある場合」とは、当該一般消費者等(契約の当事者)が当該配管の所有権の移転を望まない旨の明確な意思を示す場合等が含まれる。
なお、当該一般消費者等が賃貸住宅に居住するなど、当該一般消費者等と家屋所有者が異なる場合においては、所有権は当該家屋所有者に移転することとなる。この場合において、当該家屋所有者が所有権の移転を望まない旨の明確な意思を示す場合(当該家屋所有者が、当該配管の所有権が自己に移転することは望まないものの、当該一般消費者等に移転することを認める場合を除く)は、上記「やむを得ない事情がある場合」に含まれる。
なお、この規定は、あくまで、消費設備に係る配管の所有権が販売事業者にある場合について定めた規定である。したがって、販売事業者が消費設備に係る配管を所有していない場合に、当該一般消費者等に当該配管に係る費用を請求できないことは当然である。

附則(平成9年3月19日付け 平成09・03・17資庁第1号)
この通達は「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則」の全部を改正する省令の施行の日から適用する。

附則(平成13年7月11日付け 平成13・06・29資庁第17号)
この通達は平成13年8月1日から施行する。




3.改正の概要と背景

"液化石油ガス販売事業における無断撤去の禁止のルール化について

平成13年7月
資源エネルギー庁石油流通課

1.改正の背景
(1)数年前から、首都圏を中心に液化石油ガス販売事業者間における新規顧客獲得(顧客切替)競争が激化し、販売事業者というよりは切替専門のブローカーが多数出現し、①消費者が知らないうちに他の液化石油ガス販売事業者に転売されるケース、②今まで契約していた液化石油ガス販売事業者(以下「旧事業者」という。)から、新たな液化石油ガス販売事業者(以下「新事業者」という。)に切り替えようとする場合に、旧事業者への通告なしに旧事業者の所有物である設備の無断撤去が行われているケース等の現状が指摘されている。
(2)このような無断撤去問題は、一都三県のLPガス協会が会員の液化石油ガス販売事業者に対して行った消費者切替にかかる問題とされる事例のアンケート結果において、1,105件の事例報告中973件を占めており、業界から無断撤去禁止の制度化を強く要望されている。
(3)また、LPガス業界、関係行政機関、消費者団体からなるLPガス流通問題連絡会においても無断撤去禁止の省令化が提言されている。

2.改正の概要
(1)無断撤去の禁止
消費者が、今まで契約していた旧事業者から新事業者に切り替えようとする場合に「新事業者は、一般消費者等から旧事業者に対して液化石油ガス販売契約の解除の申し出があってから相当期間が経過するまでは、旧事業者の所有する供給設備を撤去しないこと。ただし、当該供給設備を撤去することについて旧事業者の同意を得ているときは、この限りでない」との規定を、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則(省令(以下「液石法施行規則」)という。)第16条(販売の方法の基準)に追加する(省令改正)。
(2)原則一週間ルール
現行規定では、「消費者の要求があった場合には液化石油ガス販売事業者はその所有する供給設備を遅滞なく撤去すること」(液石法施行規則第16条第16号)とあるが、正当なまたは合理的な理由がある場合を除き原則一週間以内に撤去することが妥当と考えられる旨を通達に明記する(通達改正)。
(3)契約における解約猶予期間に関する通達の規定の削除
契約における解約猶予期間に関しては「販売契約の解約猶予期間等を定める、契約条項がある場合等には、最低限、その日までは液石法上の義務は生じない」との規定を削除する(通達改正)。

※以下、[資料5]に掲載。

資料7

液化石油ガス販売事業における
無断撤去の禁止のルール化後の状況について
平成13年9月 石油流通課

1.主な事例
本年8月1日から、無断撤去の禁止、原則一週間ルール等を内容とする省令及び通達改正が施行されたところであるが、施行後1ヶ月において、都道府県、経済産業局等が苦情、通報等を受け、立ち入り検査、通知、面談等により指導した主な事例は以下のとおり。
なお、改善結果については、指導を行った事業者から、書面提出、口頭連絡等により確認している。
(1)省令改正について、社内周知不足により、解約の通知から3日後に無断撤去してしまった例について、社内周知を指導した。
(2)不適切な解約の通知(主にfax)について、改善を指導した。
①「○月×日に撤去して下さい」「○月×日に切替工事を行います。」との一方的な書きぶりは、たとえ消費者の意向であっても、旧事業者には撤去のための準備期間、料金精算のための期間(原則として一週間以内)が必要であることから不適当であり、改善を指導した。
なお、「○月×日の撤去を希望します」など、消費者の希望を表明することを妨げるものではないが、この場合も、○月×日に撤去する業務を旧事業者に当然に生じさせるものではなく、当事者間で日程調整が行われ、販売事業者の変更が円滑に行われることが必要。
②新事業者が、消費者の希望がないにもかかわらず、「○月×日(例:通知の翌日)の撤去を消費者が強く希望している。」と記載し、旧事業者に通知した。旧事業者が消費者に撤去日の打ち合せのため連絡をしたところ、驚いた消費者は、「そん欺瞞をいう事業者は信用できない」として、最終的に旧事業者と再契約した。新事業者に対しては、消費者が希望している場合に限り撤去希望日を記載するように指導した。
③「○月×日に切替工事を行います。応じていただけない場合は、当社が撤去します。」「○月×日までに撤去していただけない場合は、当社が撤去します。」という趣旨の書きぶりは、液石法の無断撤去の禁止又は民法の自力救済禁止の原則に抵触するおそれがあるので、削除を指導した。
④「訪問、立入、電話等は全てお断りします。」という趣旨の書きぶりは、旧事業者としても消費者が新事業者に委任しているという事実の確認(消費者の解約希望の事実の確認)が必要であることから、削除を指導した。(ただし「事業者再変更説得のための度重なる訪問はしないでほしい。」旨の希望の記載を妨げるものではない。)
(3)新事業者が、撤去日について旧事業者と打ち合わせをするために何度電話をしても、担当者不在、折り返しの電話がかかってこないなど連絡が取れない例について、旧事業者に対して、徒に引き延ばしをせず打合せに応ずるよう指導した。
また、逆に、旧事業者が新事業者に連絡を取ろうとしても連絡が取れない例について、新事業者に対して、打合せに応ずるよう指導した。
(4)新事業者が、旧事業者へ解約の通知をfaxしたまま何の連絡もせず、通知を受けた旧事業者も、撤去の打合せもせずに、消費者に再契約のための説得ばかりしていた例については、事業者間できちんと連絡を取り合うように指導した。
なお、「遅滞なく撤去する」期間として設けられている原則一週間以内の期間は、あくまで、撤去のための準備期間、料金精算のための期間であるが、旧事業者が、通常の商慣行の範囲内で顧客を説得し、再契約を図ることまで妨げるものではない。しかしながら、この場合でも、再契約を強要する、執拗に訪問・電話をする、新事業者を不当に誹謗・中傷するなど、消費者の意向を無視した説得・引き延ばしが認められるべきでないことは言うまでもない。旧事業者は、消費者の意向に従い、遅滞なく供給設備を撤去すべきである。
(5)過去(8月1日以前)にA事業者から無断撤去されたことがあるB事業者が、A事業者に対し翌日撤去の通知をした例については、B事業者に対し無断撤去の禁止を指導し、双方話合いの結果、撤去日について合意した。

2.今後、事業者が改善すべき事項
販売事業者の変更に際しては、新事業者による過熱した無秩序な切替はもちろんであるが、旧業者による消費者の意向を無視した解約の引き延ばしや設備撤去に応じない行為も厳に慎むべきであり、新旧事業者双方が消費者の意向及び適正な取引の観点から、ルールを厳守することが重要である。今般の省令及び通達改正の施行後1ヶ月の状況に鑑み、新旧事業者は、特に以下の点につき改善すべきである。
(1)委任を妨げるものではないが、消費者自身が旧事業者に対し解約の申し出を行った場合のトラブルがほとんどなかったことから、極力、消費者自身に解約の申し出を行ってもらうこと。
(2)各事業者が、液石法、消費者保護法、民法等の関係法令や業界自主ルールを守ること。特に消費者に対して契約の強要を行わないこと
(3)撤去日等については、事業者同士で誠意・理性をもって話し合い、消費者に迷惑をかけないこと。

3.消費者に留意していただきたい事項
液化石油ガス販売事業者の変更は自由に行なえるが、契約に当たっては、契約内容をよく確認し、不明な点、疑問に思った点などは事業者に問い合わせるなど、契約当事者としての自覚を持ち、トラブルに巻き込まれないように注意することが必要。

4.行政の取組み
行政(資源エネルギー庁、経済産業局、都道府県)としては、引き続き、無断撤去の禁止、原則一週間ルール等の遵守状況を見守り、問題のある事業者等に対しては、取引の適正化に向け、厳正な態度で臨んでいく所存。

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